IQと自我レジリエンス:概念的・実証的なつながりと区別
IQ and ego-resiliency: conceptual and empirical connections and separateness.
J. Block, Adam M. Kremen(1996)Journal of Personality and Social Psychology, 70(2), 349–361
自我レジリエンスが高い人は対人関係に強く、IQが高いだけの人は構造化された仕事に強いという違いを示した。
要旨根拠:抄録
知能と自我レジリエンス(=状況に応じて自己統制を柔軟に調整する性格特性)という2つの構成概念の関係と違いを論じた研究である。知能はウェクスラー成人知能検査(WAIS-R)で、自我レジリエンスは質問紙尺度で測定した。互いの影響を取り除いた残差得点として「純粋な知能」と「純粋な自我レジリエンス」を算出し、観察者評定によるカリフォルニアQソートの各項目との相関を調べた。自我レジリエンスが相対的に高い人は、曖昧な対人関係の世界で有能かつ快適に振る舞う傾向があった。一方、主にIQで特徴づけられる人は構造化された仕事では有能だが、感情に不安を抱えやすく満足のいく人間関係を築きにくい傾向があった。両者の関係や適応上の意味には性差があることも示された。
関係メモ——この研究のその後
- 先行・基盤W0057 Rutter(1987)とW0211 Masten(1990)のレジリエンス研究に、Block自身の自我レジリエンス概念を接続した
- 後続・発展W0092 Tugade(2004)がレジリエントな人はポジティブ感情で回復することを示し、W0180 Windle(2011)がレジリエンス尺度を比較検討し、W0488 Hu(2015)が特性レジリエンスと精神的健康の関連をメタ分析した
- 日本語版・翻訳J003 平野(2010)とJ040 平野(2011)が日本で二次元レジリエンス要因尺度を開発・検証した
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している) 2本
- W0057 心理社会的レジリエンスと保護メカニズム Rutter(1987) American Journal of Orthopsychiatry 主要400 被引用 6,628
- W0211 レジリエンスと発達:逆境を乗り越える子どもの研究からの寄与 Masten(1990) Development and Psychopathology 主要400 被引用 3,290
後続研究(この論文を引用している) 15本
- W0007 ポジティブ心理学におけるポジティブ感情の役割:拡張-形成理論 Fredrickson(2001) American Psychologist 主要400 被引用 15,016
- W0015 二つの感情調整プロセスの個人差:感情、対人関係、ウェルビーイングへの含意 Gross(2003) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 11,790
- W0029 簡易レジリエンス尺度:立ち直る力の評価 Smith(2008) International Journal of Behavioral Medicine 主要400 被引用 6,111
- W0060 ポジティブ感情の拡張‐形成理論 Conway(2004) Philosophical transactions of the Royal Society of London. Series B, Biological sciences 主要400 被引用 4,442
- W0092 レジリエンスの高い人はポジティブ感情を使ってネガティブな感情経験から立ち直る Tugade(2004) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 3,898
- W0121 ポジティブ組織行動の必要性と意味 Luthans(2002) Journal of Organizational Behavior 主要400 被引用 3,073
- W0177 開かれた心が人生を築く:慈悲の瞑想によるポジティブ感情が重要な個人的資源を築く Fredrickson(2008) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 2,348
- W0180 レジリエンス測定尺度の方法論的レビュー Windle(2011) Health and Quality of Life Outcomes 主要400 被引用 2,104
- W0243 ポジティブ感情は拡張し、形成する Kok(2012) Advances in experimental social psychology 主要400 被引用 1,618
- W0194 危機においてポジティブ感情は何の役に立つか:2001年9月11日の米国同時多発テロ後のレジリエンスと感情の前向き研究 Fredrickson(2003) Journal of Personality and Social Psychology 被引用 2,744
- W0272 職場におけるポジティブ組織行動 Youssef(2007) Journal of Management 被引用 1,844
- W0314 台頭するポジティブ組織行動論 Luthans(2007) Journal of Management 被引用 1,662
ほか 3 件
読む・引用する
- 論文ページ
- https://doi.org/10.1037//0022-3514.70.2.349
- 無料で読めるか
- × 有料(非OA)
- DOI
- 10.1037//0022-3514.70.2.349
文献表記(APA第7版)
影響力の指標
- 著名度スコア
- 83.8 / 100 スコアとは
- 被引用数
- Semantic Scholar 2,416(うち影響引用 228)・ OpenAlex 1,637
- 年あたり被引用
- 77.9
- FWCI
- 11.9(同年・同分野の平均の何倍引用されたか)
- 同年同分野で
- 上位 1.2%
- 分野(OpenAlex)
- Resilience and Mental Health
- 主要400の選定
- 著名度スコア上位(概念・年代枠内)
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
つながり ほかの保存版コレクションから、内容の近いもの
- 幸せに効くこと認知機能/知能(IQ)頭の良さと幸せは、個人レベルではほとんど関係ないんです
- 発達マップ知能(IQ)との関係5つの発達段階で比べた表・発達理論の系譜
- 名言集他人を知る者は智なり、自らを知る者は明なり老子
- 名言集自己こそ自分の主である。他人がどうして自分の主であろうかブッダ
- 発達マップ心理的ニーズ(自律性・有能感・関係性)との関係5つの発達段階で比べた表・心理学の理論(性格・臨床・動機)
- 禅語百選柳緑花紅柳は緑、花は紅。それぞれがそれぞれのままに、ありのままで完全である。
- 思想マップポジティブ心理学1.0快い感情・没頭・意味・良い関係・達成(PERMA)という測れる要素を、自分の強み(性格の良い面)を使って増やしていけば、幸福(フラーリッシ…
- 調査・報告書OECD 社会情動的スキル調査OECDが10歳と15歳の粘り強さや共感などのスキルを測り、生活満足度や不安との関係を見る調査。
内容の近さをAIで自動計算して選んでいます。保存版コレクションの一覧 →