ボランティア(高齢期)
55歳以上での組織的ボランティア活動
幸せへの効果の大きさ
人生満足:コホート5本中4本で正(系統的レビュー、統合効果量なし);WB改善も複数コホートで一致
NA低減が主:抑うつ症状はコホート6本中4本で低下、RCT3本では群間差なし
- ほかの幸福度指標
- 死亡率:調整後−24%(メタ分析、55歳以上)・RR=0.78(5コホート);機能維持・認知機能にも正
- なぜ効くのか
- 役割獲得・社会接触・有能感の維持;退職後の役割喪失を補う
- 幸せの4因子
- ありがとう ボランティア →ありがとう(貢献・つながり) →幸福度
こうすると更に効く
55歳以上のボランティア参加は、コホート研究の多くで人生満足やwell-beingの改善と一致していて、死亡率も調整後で24%低いというメタ分析があります(Okun, Yeung & Brown, 2013; Jenkinson et al., 2013)。仕組みは、退職で失われがちな役割を補い、社会的な接触と有能感(まだ役に立てるという感覚)を保つことです。効き目には上限があって、週2〜3時間程度で頭打ちという報告があるので、無理に多くやる必要はありません。大事な条件は『自分で選んでやっている』ことで、義務化されると効果が減るのは親切行動の行と同じです。自分の経験や得意を活かせる役割を選ぶと、有能感の経路が働きやすいという感じでしょうか。
気をつけること
健康で経済的に余裕のある人ほどボランティアに参加するという選択効果と、元気だから参加できるという逆方向の影響が大きいので、観察研究の数値はそのまま因果とは言えません。無作為化試験3本では抑うつに群間差がありませんでした。well-being指標の統合効果量はなく、確度Aの根拠は死亡率のメタ分析と複数コホートの一致によるものです。義務感や断れない人間関係から参加すると負担になり逆効果になることがあります。体力や健康状態に合った内容と頻度を選んでください。
最初の一歩
今週、地域の社会福祉協議会やボランティアセンターのサイトで、自分の経験が活かせそうな活動を一つ探してみてください。まずは単発の活動に一度参加して、合うかどうかを確かめるのが小さな一歩です。
主要な研究
- Volunteering by older adults and risk of mortality: a meta-analysis(Okun, Yeung & Brown, 2013, Psychol Aging)
- Is volunteering a public health intervention? A systematic review and meta-analysis of the health and survival of volunteers(Jenkinson et al., 2013, BMC Public Health)
メモ:選択効果(健康で裕福な人ほど参加)と逆因果に注意。WB指標の統合効果量はなく、Aの根拠は死亡率メタ+複数コホートの一致。週2〜3時間程度で頭打ちの報告あり。義務化で効果減(既収載『親切行動』と同様)
原典と照合済み(3次)。効果の大きさは代表的な研究の値で、相関は因果を意味しません。
同じ「人との交流・親切」の項目
つながり ほかの保存版コレクションから、内容の近いもの
- 主要研究高齢者におけるボランティア活動とその後の健康・ウェルビーイング:アウトカム・ワイドな縦断的アプローチKim(2020)・年100時間以上のボランティアが、高齢者の死亡リスク低下や人生の目的・ポジティブ感情の向上と関連することを示した。
- 主要研究ボランティア活動が高齢者のウェルビーイングに及ぼす効果Morrow-Howell(2003)・ボランティアをする高齢者、特に活動時間の長い人ほどウェルビーイングが高く、その効果は属性で差がないことを示した。
- 発達マップ老後・引退の捉え方5つの発達段階で比べた表・人生の歩み
- 名言集他者への奉仕は、この地上に部屋を借りるために払う家賃であるモハメド・アリ
- 発達マップ組織版:人生満足尺度の高め方(段階別)5つの発達段階で比べた表・サーベイ・診断とWBC組織版の読み方
- 思想マップ悩み相談:定年後、何をしたらいいか分からない仕事・まず読むなら 儒教(原始)/ユング(分析心理学)/仏教(浄土)
- 調査・報告書欧州健康・加齢・退職調査欧州の50歳以上を2年ごとに追い、健康・お金・家族と生活の質の変化をたどる大規模パネル。
- 禅語百選入鄽垂手街に入って、手を垂れる。悟りを得た人が、ふたたび俗世の雑踏に戻り、人々とともに生きる。修行の最終段階。
内容の近さをAIで自動計算して選んでいます。保存版コレクションの一覧 →