宗教的改宗
宗教への入信(改宗)または離脱(脱改宗)という人生の転機
幸せへの効果の大きさ
改宗者(N=181)・脱改宗者(N=450)とも改宗前後でwell-beingに変化なし(オランダ代表パネル N≈20,000、11波)
感情面の変化は検出されず。改宗時に情緒安定性・外向性・協調性が小幅低下
- ほかの幸福度指標
- 宗教的行動(礼拝出席・祈り)は改宗前から増加、信念は変わらず。脱改宗者は協調性・誠実性・開放性が小幅低下
- なぜ効くのか
- 心理的変化は主に宗教的信念・実践の変化に限られ、幸福度への波及は小(人と宗教の適合・意味づけが条件)
こうすると更に効く
オランダの大規模パネル(Bleidorn et al., 2024)では、改宗した人も宗教を離れた人も、前後で幸福度に変化が見られませんでした。変わるのは主に宗教的な行動(礼拝や祈り)と信念の部分で、幸福度への波及は小さいようです。行のメカニズム欄にあるように、効くとすれば「その人と宗教の適合」や「意味づけ」が条件になります。だから入信や離脱そのものに幸福の効果を期待するより、そこで得られるコミュニティや意味感が自分に合っているかを見るほうが現実的です。改宗の動機(危機からの回復など)によって経験は違いうるので、自分の動機を言葉にしておくと見通しが立ちます。
気をつけること
根拠は代表性のある縦断研究1本で、制度的な改宗に限られます。劇的な回心体験や、高いコミットメントを求める宗教への改宗は別の話になりえます。既収載『宗教性そのもの』の効果とは区別が必要で、宗教的である人が幸福かどうかとは別の問いです。改宗時に情緒安定性などが小幅に低下するという報告もあり、転機のストレスはゼロではありません。信仰の変化に伴ってつらさが続く場合は、専門家に相談してください。
最初の一歩
信仰の変化を考えている人なら、まず「何を求めているのか」を一言書いてみることです。すでに変わった人は、幸福度の変化を期待しすぎず、新しいコミュニティで安心できる関係が1つできるかを目安にしてみてください。
主要な研究
- Psychological change before and after religious conversion and deconversion(Bleidorn et al., 2024, J Pers)
メモ:代表性のある大規模縦断1本(制度的改宗に限定)。劇的な回心体験や高コミットメント宗教への改宗は別。『宗教性そのもの』(既収載)の効果と弁別。改宗の動機(危機からの回復など)で異なりうる
原典と照合済み(3次)。効果の大きさは代表的な研究の値で、相関は因果を意味しません。
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