社会情動学習(SEL)
情動理解・自己制御・対人スキルを学校で教える普遍型プログラム
幸せへの効果の大きさ
(推定) フォローアップメタ分析(k=82、n=97,406)でwell-being指標が有意改善;人生満足単独値なし
NA低減が主:情動的苦痛(抑うつ・不安)ES=.24(k=213、N=270,034);PA測定は少数
- ほかの幸福度指標
- 社会情動スキル.57・向社会行動.24・問題行動.22・学業成績.27(11パーセンタイル);6か月〜18年後も効果持続;最新メタ分析(k=424、53か国)でも学校風土・仲間関係・学業に改善
- なぜ効くのか
- 情動認識・自己制御・対人スキルの獲得→関係性の質と自己効力感
- 幸せの4因子
- ありがとうなんとかなる ありがとう →なんとかなる
こうすると更に効く
幼稚園から高校までの普遍型SELは、社会情動スキルに中程度、向社会行動・問題行動・情動的苦痛に小程度、学業成績にも小〜中の効果があり、効果は6か月から18年後まで続きます(Durlak et al., 2011; Taylor et al., 2017)。効果を左右するのは実施の質で、順序立てた活動(Sequenced)、能動的学習(Active)、十分な時間(Focused)、明確な目標(Explicit)のSAFE原則を満たすプログラムが効きます。フォローアップのwell-beingは事後の社会情動スキルで最もよく予測されるので、スキルがきちんと身につく実装が条件です(Cipriano et al., 2023)。
気をつけること
多数の対照試験の統合で根拠は強い(確度A)ですが、効果量は小〜中で、実装の質が低いと効果が出ません。well-beingへの効果は副次的な指標で、人生満足の直接値はありません。学校風土や仲間関係の改善は確認されていますが、家庭環境など学校外の要因には届きません。学校マインドフルネスや学校PPIとは別の行なので、「心の授業」とひとくくりにしないことも大切です。子どものつらさが続くときはスクールカウンセラーや専門家に相談してください。
最初の一歩
保護者は学校に「SELや社会性と情動の学習に当たる取り組みがあるか」を聞いてみてください。教員は、既存の授業に感情の言語化や対人スキルの練習をSAFE原則に沿って組み込むところから始められます。
主要な研究
- The impact of enhancing students' social and emotional learning: a meta-analysis of school-based universal interventions(Durlak et al., 2011, Child Dev)
- Promoting Positive Youth Development Through School-Based Social and Emotional Learning Interventions: A Meta-Analysis of Follow-Up Effects(Taylor et al., 2017, Child Dev)
- The state of evidence for social and emotional learning: A contemporary meta-analysis of universal school-based SEL interventions(Cipriano et al., 2023, Child Dev)
メモ:普遍型・学校ベース(K〜12)。効果は実施の質(SAFE原則)と実装問題に依存。学校マインドフルネス(N606)・学校PPI(N607)と弁別。フォローアップのwell-beingは事後の社会情動スキルが最強の予測子
原典と照合済み(3次)。効果の大きさは代表的な研究の値で、相関は因果を意味しません。
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