12ステップ/自助グループ(AA)
アルコール依存の当事者相互援助(AA)と専門家による参加促進(TSF)
幸せへの効果の大きさ
(推定) 12か月継続断酒RR 1.21[1.03〜1.42](高確実性、n=1936)・24〜36か月の断酒日数増加からの推定。QOL・人生満足は未統合
未検証:感情・抑うつ指標はレビューで統合されていない
- ほかの幸福度指標
- 継続断酒率・断酒日数(24か月でMD 12.9%)・医療費削減。飲酒強度・飲酒関連問題はCBT等と同等
- なぜ効くのか
- 社会的ネットワークの入れ替え・断酒自己効力感・スピリチュアリティ・支援する側に回る役割(helper therapy)
- 幸せの4因子
- ありがとうなんとかなる ありがとう→仲間とのつながり・役割→なんとかなる
こうすると更に効く
AA(アルコホーリクス・アノニマス)などの12ステップの自助グループと、専門家がその参加を後押しするTSF(12ステップ促進療法)は、Cochraneレビューで12か月の継続断酒率を高め、24〜36か月でも断酒日数を増やすことが高い確実性で示されています(Kelly et al., 2020)。効く仕組みは、飲酒仲間から断酒仲間へ社会的ネットワークを入れ替えること、断酒の自己効力感、スピリチュアリティ、そして『支援する側に回る』役割(helper therapy)です。つまり出席するだけでなく、仲間とつながり、やがて新しく来た人を支える立場になることが効き目を強めます。マニュアル化されたTSFのほうがCBTなどより断酒率で優位だったので、医療機関と自助グループを組み合わせる形が最も効きやすい受け方です。
気をつけること
アウトカムは断酒で、幸福度や人生満足、抑うつなどの指標はレビューで統合されておらず、幸福への効果は推定です(確度B)。研究は自発的に参加した人が対象で、強制された参加では同じ結果にならない可能性があります。飲酒の強度や飲酒関連の問題ではCBTなどと同等で、すべての面で優れているわけではありません。宗教的・精神的な表現に抵抗がある人もいて、合う合わないがはっきり分かれます。アルコールの問題が続くときは、まず専門の医療機関や相談窓口につながってください。
最初の一歩
AAや断酒会は各地で定期的にミーティングを開いていて、オープンミーティングは本人以外も見学できることがあります。まず一度、見学に行ってみるのが最初の一歩です。本人が参加しづらいときは、家族や支援者が保健所や精神保健福祉センターに相談し、医療機関からの参加促進(TSF)という経路もあると知っておいてください。
主要な研究
- Alcoholics Anonymous and other 12-step programs for alcohol use disorder(Kelly et al., 2020, Cochrane Database Syst Rev)
メモ:アウトカムは断酒で幸福指標なし。マニュアル化TSFの方がCBT等より断酒率で優位。非強制参加者対象。既収載『アルコール』の回復経路
原典と照合済み(3次)。効果の大きさは代表的な研究の値で、相関は因果を意味しません。
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