何が私たちを幸せにするのか、本当に分かっているのか:主観的幸福感に関連する要因についての経済学文献のレビュー
Do we really know what makes us happy A review of the economic literature on the factors associated with subjective well-being
P. Dolan, T. Peasgood, M. White(2008)Journal of Economic Psychology, 29(1), 94–122
経済学を中心とする幸福研究を総覧し、健康・人間関係・雇用などが幸福と強く関連する一方、因果関係には課題が多いことを示した。
要旨根拠:抄録
主流の経済学の雑誌に主観的幸福(SWB)とその決定要因を扱う論文が増えている「幸福の経済学」の文献を詳しく概観したレビューである。主に1990年以降に経済学の雑誌に載った論文に加え、心理学の重要な総説や未発表の重要な論文も対象とした。証拠からは、健康状態の悪さ、別居・離別、失業、人との交流の少なさが、いずれも主観的幸福の低さと強く関連していることが示唆された。一方で、矛盾する証拠、観察されていない変数の影響、因果の向きの不確かさなど、幸福の原因について確かな結論を出すにはさまざまな問題があることも指摘した。パネルデータが増えれば、その一部に対処できるはずだとしている。
関係メモ——この研究のその後
- 先行・基盤W0163 Easterlin(1995)の所得と幸福、W0369 Winkelmann(1998)やW0535 Lucas(2004)の失業と幸福など、経済学・心理学の規定因研究を総覧した
- 後続・発展W0250 Huppert & So(2011)がフラリッシングの多次元的な定義で欧州比較を行うなど、規定因研究は測定の多次元化と政策利用へ広がった。
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している) 15本
- W0002 ポジティブ感情とネガティブ感情の簡便な尺度の開発と妥当性検証:PANAS尺度 Watson(1988) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 41,735
- W0005 人生満足度尺度(Satisfaction With Life Scale) Diener(1985) Journal of Personality Assessment 主要400 被引用 31,990
- W0076 相対所得、幸福、効用:イースタリン・パラドックスとその他の謎の説明 Clark(2008) Journal of Economic Literature 主要400 被引用 3,386
- W0133 主観的幸福感――30年の進歩 Diener(1999) Psychological Bulletin 主要400 被引用 3,418
- W0156 幸せなパーソナリティ――137の性格特性と主観的幸福感のメタ分析 Deneve(1998) Psychological bulletin 主要400 被引用 2,946
- W0163 全員の所得を上げれば全員の幸福は増すのか Easterlin(1995) Journal of Economic Behavior & Organization 主要400 被引用 3,137
- W0369 なぜ失業者はこれほど不幸なのか?パネルデータによる証拠 Winkelmann(1998) Economica 主要400 被引用 1,903
- W0170 ウェルビーイングの社会的文脈 Helliwell(2004) Philosophical transactions of the Royal Society of London. Series B, Biological sciences 被引用 2,631
- W0232 不平等と幸福:アメリカ人とヨーロッパ人は異なるのか Alesina(2004) Journal of Public Economics 被引用 2,012
- W0342 所得とウェルビーイング Ferrer-i-Carbonell(2002) Journal of Public Economics 被引用 1,729
- W0348 幸福のマクロ経済学 Tella(2003) Review of Economics and Statistics 被引用 1,774
- W0356 お金を超えて:ウェルビーイングの経済に向けて Diener(2004) Psychological Science in the Public Interest 被引用 1,900
ほか 3 件
後続研究(この論文を引用している) 6本
- W0250 欧州のフラリッシング:ウェルビーイングを定義する新たな概念枠組みの適用 Huppert(2011) Social Indicators Research 主要400 被引用 1,731
- W0260 自然と心の健康:生態系サービスの視点から Bratman(2019) Science Advances 主要400 被引用 1,728
- W1259 時間ではなく瞬間:自然とウェルビーイングの関係 Richardson(2021) International Journal of Wellbeing 主要400 被引用 175
- W0363 心理的ウェルビーイング:その原因と結果に関するエビデンス Huppert(2009) Applied Psychology Health and Well-Being 被引用 1,504
- W0642 緑の多い都市部に住むと幸せになれるか?パネルデータの固定効果分析 White(2013) Psychology Science 被引用 865
- W0697 子育ての苦しみと喜び:親であることは、いつ、なぜ、どのようにウェルビーイングの高低と関連するのか Nelson(2014) Psychological bulletin 被引用 641
読む・引用する
- 論文ページ
- https://doi.org/10.1016/J.JOEP.2007.09.001
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- DOI
- 10.1016/J.JOEP.2007.09.001
文献表記(APA第7版)
影響力の指標
- 著名度スコア
- 92.8 / 100 スコアとは
- 被引用数
- Semantic Scholar 3,172(うち影響引用 236)・ OpenAlex 3,144
- 年あたり被引用
- 166.9
- FWCI
- 41.4(同年・同分野の平均の何倍引用されたか)
- 同年同分野で
- 上位 0.1%未満
- 分野(OpenAlex)
- Psychological Well-being and Life Satisfaction
- 主要400の選定
- 概念枠(A06 幸福の経済学(所得・失業・格差)の上位3)
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
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