欧州のフラリッシング:ウェルビーイングを定義する新たな概念枠組みの適用
Flourishing Across Europe: Application of a New Conceptual Framework for Defining Well-Being
F. Huppert, Timothy T. C. So(2011)Social Indicators Research, 110(3), 837–861
うつ・不安の反対側から10特徴でフラリッシングを定義し、欧州23か国で繁栄率に約4倍の差があることを示した。
要旨根拠:抄録
各国政府が主観的ウェルビーイングを進歩の指標として測定し始めていたが、どう測るべきかは定まっていなかった。本研究は、高いウェルビーイングをポジティブなメンタルヘルスと捉え、うつと不安の診断基準(DSMとICD)の各症状の「反対」を定義することで、有能感、情緒安定、没頭、意味、楽観、ポジティブ感情、良好な関係、レジリエンス、自尊感情、活力の10特徴を導いた。欧州社会調査第3ラウンドの約4万3千人の代表サンプルを用いて心理測定的分析を行い、フラリッシング(=心身ともに良好に機能している状態)の操作的定義を作成した。これを23か国に適用すると、フラリッシングの割合はデンマークの41%からスロバキア、ロシア、ポルトガルの10%未満まで約4倍の差があり、国ごとの特徴プロフィールも大きく異なった。生活満足だけでは多くの情報が失われるため、ウェルビーイングは多次元で測るべきことを示した。
関係メモ——この研究のその後
- 先行・基盤W0052 Keyes(2002)のメンタルヘルス連続体とW0013 Ryff(1989)の心理的ウェルビーイングを組み合わせ、欧州社会調査でフラリッシングを操作的に定義した
- 後続・発展W0337 VanderWeele(2017)がフラリッシングの領域を再定義し、W0261 Butler(2016)がPERMAプロファイラーを、W0596 Ruggeri(2020)が同じ欧州データで多次元WBの国比較を行った
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している) 15本
- W0002 ポジティブ感情とネガティブ感情の簡便な尺度の開発と妥当性検証:PANAS尺度 Watson(1988) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 41,735
- W0017 幸福と人間の潜在力について:快楽主義的・エウダイモニア的ウェルビーイング研究のレビュー Ryan(2001) Annual Review of Psychology 主要400 被引用 11,279
- W0025 心理的幸福感の構造再考 Ryff(1995) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 9,953
- W0043 新しいウェルビーイング尺度:フラリッシングとポジティブ・ネガティブな感情を測る短縮尺度 Diener(2010) Social Indicators Research 主要400 被引用 4,673
- W0052 精神的健康の連続体:衰弱からフラリッシングへ Keyes(2002) Journal of Health and Social Behavior 主要400 被引用 5,009
- W0053 ワーウィック・エジンバラ精神的ウェルビーイング尺度(WEMWBS):開発と英国での妥当性検証 Tennant(2007) Health and Quality of Life Outcomes 主要400 被引用 4,427
- W0085 何が私たちを幸せにするのか、本当に分かっているのか:主観的幸福感に関連する要因についての経済学文献のレビュー Dolan(2008) Journal of Economic Psychology 主要400 被引用 3,172
- W0111 幸福の追求:持続的な変化の構造 Lyubomirsky(2005) Review of General Psychology 主要400 被引用 3,220
- W0133 主観的幸福感――30年の進歩 Diener(1999) Psychological Bulletin 主要400 被引用 3,418
- W0201 ポジティブな人間の健康の輪郭 Ryff(1998) Psychological Inquiry 主要400 被引用 2,759
- W0263 所得・健康・ウェルビーイングの世界比較:ギャラップ世界調査からのエビデンス Deaton(2008) Journal of Economic Perspectives 主要400 被引用 1,728
- W0170 ウェルビーイングの社会的文脈 Helliwell(2004) Philosophical transactions of the Royal Society of London. Series B, Biological sciences 被引用 2,631
ほか 3 件
後続研究(この論文を引用している) 12本
- W0261 PERMAプロファイラー:フラリッシングを多次元で測る短縮尺度 Butler(2016) International Journal of Wellbeing 主要400 被引用 1,289
- W0337 人間のフラリッシングの促進について VanderWeele(2017) Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 主要400 被引用 1,122
- W1057 デジタル・ウェルビーイングの倫理:主題別レビュー Burr(2020) Science and Engineering Ethics 主要400 被引用 310
- W0596 ウェルビーイングは幸福感や生活満足度以上のもの——21か国の多次元的分析 Ruggeri(2020) Health and Quality of Life Outcomes 被引用 696
- W0723 生徒のウェルビーイングを測定する多次元的アプローチ:PERMAの枠組みの応用 Kern(2014) Journal of Positive Psychology 被引用 649
- W0760 青年期ウェルビーイングのEPOCH尺度 Kern(2016) Psychological Assessment 被引用 500
- W0953 ウェルビーイングの測定:レビュー Cooke(2016) The Counseling Psychologist 被引用 433
- W1187 教師のウェルビーイングと職務満足:職場におけるポジティブ感情の重要な役割 Dreer(2021) Educational Studies 被引用 224
- W1209 ポジティブ教育のための応用的枠組み Norrish(2013) International Journal of Wellbeing 被引用 300
- W1232 教師のウェルビーイングと離職意図:仕事の資源と仕事の要求の役割の検討 Collie(2023) British Journal of Educational Psychology 被引用 149
- W1274 ウェルビーイング測定尺度の選択に関する現時点での推奨 VanderWeele(2020) Preventive Medicine 被引用 206
- W1324 トラウマ・インフォームド・ポジティブ教育:ポジティブ心理学で困難を抱える生徒を支える Brunzell(2016) Contemporary School Psychology 被引用 221
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- 論文ページ
- https://doi.org/10.1007/s11205-011-9966-7
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- DOI
- 10.1007/s11205-011-9966-7
文献表記(APA第7版)
影響力の指標
- 著名度スコア
- 82.5 / 100 スコアとは
- 被引用数
- Semantic Scholar 1,731(うち影響引用 115)・ OpenAlex 1,883
- 年あたり被引用
- 108.2
- FWCI
- 25.7(同年・同分野の平均の何倍引用されたか)
- 同年同分野で
- 上位 0.2%
- 分野(OpenAlex)
- Psychological Well-being and Life Satisfaction
- 主要400の選定
- 著名度スコア上位(概念・年代枠内)
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
つながり ほかの保存版コレクションから、内容の近いもの
- 名言集ウェルビーイングは、ポジティブ感情・没頭・関係・意味・達成の5つの要素からなる(PERMA)マーティン・セリグマン
- 調査・報告書Global Flourishing Study(グローバル・フラーリシング・スタディ)22か国・20万人以上を毎年追跡し、幸福・健康・意味・人柄・人間関係・経済の6領域を測るパネル調査。
- 調査・報告書欧州社会調査(ウェルビーイング・モジュール)欧州で2年ごとに行う社会調査。幸福感を毎回尋ね、詳しいウェルビーイング調査も数回実施。
- 名言集心理的ウェルビーイングは、快楽ではなく、人間の潜在力の実現に関わる6つの次元からなるキャロル・リフ
- 思想マップポジティブ心理学1.0快い感情・没頭・意味・良い関係・達成(PERMA)という測れる要素を、自分の強み(性格の良い面)を使って増やしていけば、幸福(フラーリッシ…
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