不平等と幸福:アメリカ人とヨーロッパ人は異なるのか
Inequality and Happiness: Are Americans and Europeans Different?
A. Alesina, Rafael M. Di Tella, Robert Macculloch(2004)Journal of Public Economics, 88(9-10), 2009–2042
所得格差は欧州では幸福を大きく下げるが米国ではほとんど影響せず、その差は社会移動性の違いで説明できることを示した。
要旨根拠:抄録
所得の不平等が人々の幸福を下げるのか、またその影響は社会によって異なるのかは、再分配政策を考えるうえで重要な問いである。本論文は、米国と欧州で不平等が幸福に及ぼす影響を比較した。両地域の幸福度調査から合計128,106件の回答を用い、所得層や政治的立場ごとに標本を分けて分析した。その結果、欧州では不平等が幸福に大きく有意な負の影響を持つが米国ではそうではなく、米国で影響が見られたのは裕福な左派という一部の層のみだった。欧州では貧困層と左派が不平等によって不幸になっており、これは欧州で社会移動性(=階層を移動できる可能性)が低いために、貧しいことが将来の所得にも響くと受け止められているためだと解釈された。欧州で不平等是正を政府に求める声が強い理由の説明にもつながる知見である。
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している) 8本
- W0016 主観的幸福感 Diener(1984) Psychological bulletin 主要400 被引用 14,738
- W0133 主観的幸福感――30年の進歩 Diener(1999) Psychological Bulletin 主要400 被引用 3,418
- W2332 経済成長は人間の暮らしを改善するか?――いくつかの実証的証拠 Easterlin(1974) Nations and Households in Economic Growth(書籍の章) 主要400 被引用 4,788
- W0369 なぜ失業者はこれほど不幸なのか?パネルデータによる証拠 Winkelmann(1998) Economica 主要400 被引用 1,903
- W0386 人生満足度尺度(SWLS)のさらなる妥当性検証――幸福感測定の方法間収束の証拠 Pavot(1991) Journal of Personality Assessment 主要400 被引用 2,007
- W0348 幸福のマクロ経済学 Tella(2003) Review of Economics and Statistics 被引用 1,774
- W0585 デュシェンヌ・スマイル:感情表出と脳生理 その2 Ekman(1990) Journal of Personality and Social Psychology 被引用 1,394
- W2061 所得分配と自己評価による幸福:いくつかの実証的証拠 Morawetz(1977) The Economic Journal 被引用 190
後続研究(この論文を引用している) 11本
- W0076 相対所得、幸福、効用:イースタリン・パラドックスとその他の謎の説明 Clark(2008) Journal of Economic Literature 主要400 被引用 3,386
- W0085 何が私たちを幸せにするのか、本当に分かっているのか:主観的幸福感に関連する要因についての経済学文献のレビュー Dolan(2008) Journal of Economic Psychology 主要400 被引用 3,172
- W0174 隣人はマイナス要因:相対所得とウェルビーイング Luttmer(2005) SSRN Electronic Journal 主要400 被引用 2,415
- W0444 主観的ウェルビーイング科学の進展と未解決の問い Diener(2018) Collabra: Psychology 主要400 被引用 946
- W0482 お金は主観的幸福感を高めるか Diener(2002) Social Indicators Research 主要400 被引用 1,464
- W0363 心理的ウェルビーイング:その原因と結果に関するエビデンス Huppert(2009) Applied Psychology Health and Well-Being 被引用 1,504
- W0657 経済学における幸福データの活用法 Tella(2006) The Journal of Economic Perspectives 被引用 953
- W0668 誰が誰と比べるのか?ヨーロッパにおける所得比較の構造 Clark(2010) Social Science Research Network 被引用 743
- W0702 所得格差と幸福 Oishi(2011) Psychology Science 被引用 756
- W0824 幸福度データを用いた公共財の価値評価:大気質の事例 Levinson(2012) Journal of Public Economics 被引用 539
- W0867 幸福と年齢のU字型関係の謎 Frijters(2012) Journal of Economic Behavior & Organization 被引用 555
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文献表記(APA第7版)
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- 同年同分野で
- 上位 0.2%
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- Psychological Well-being and Life Satisfaction
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
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