感謝介入は有効なセルフヘルプか?:抑うつと不安の症状への影響に関するメタ分析
Gratitude Interventions: Effective Self-help? A Meta-analysis of the Impact on Symptoms of Depression and Anxiety
David R. Cregg, J. Cheavens(2020)Journal of Happiness Studies, 22(1), 413–445
感謝介入が抑うつ・不安症状に与える効果をメタ分析し、その効果は小さく、臨床的な治療法としては限定的であることを示した。
要旨根拠:抄録
感謝介入(人生の良い面や人に感謝する練習)は幸福を高めるとして自助法に勧められてきたが、改善の一部は偽薬効果かもしれないと指摘されていた。本研究は27研究(3675人)のメタ分析で、感謝介入が抑うつと不安の症状を減らすかを調べた。効果は介入直後(g=−0.29)も追跡時点(g=−0.23)も小さかった。測定の信頼性を補正しても結果は変わらなかった。対照群が順番待ちの研究では、別の活動をする対照群の研究より効果が大きかった。抑うつや不安を減らしたい人には、より効果の証拠が強い方法を勧めると結論づけている。
関係メモ——この研究のその後
- 先行・基盤W0095 Emmons & McCullough(2003)の感謝日記実験やW0042 Seligman(2005)の介入研究を対象に含む
- W0886 Davis(2016)のメタ分析と同様に、比較群を適切に置くと感謝介入の効果は小さいことを示し、W0192 Wood(2010)などの楽観的な見方を限定した
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
この論文が出てくる研究の系譜
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している) 14本
- W0042 ポジティブ心理学の進展:介入の実証的検証 Seligman(2005) American Psychologist 主要400 被引用 5,621
- W0095 恵みを数えるか重荷を数えるか:日常生活における感謝と主観的幸福感の実験的検討 Emmons(2003) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 3,378
- W0098 ポジティブ心理学介入によるウェルビーイング向上と抑うつ症状の軽減:実践に役立つメタ分析 Sin(2009) Journal of Clinical Psychology 主要400 被引用 2,881
- W0185 ポジティブ心理学介入:無作為化比較試験のメタ分析 Bolier(2013) BMC Public Health 主要400 被引用 1,877
- W0192 感謝とウェルビーイング:レビューと理論的統合 Wood(2010) Clinical Psychology Review 主要400 被引用 1,979
- W0330 ポジティブ心理療法 Seligman(2018) American Psychologist 主要400 被引用 1,212
- W2340 感謝を用いてポジティブな変化を促す――感謝介入の有効性を検討する一連のメタ分析 Dickens(2017) Basic and Applied Social Psychology 主要400 被引用 245
- W0577 感謝と幸福——感謝の尺度の開発と主観的幸福感との関係 Watkins(2003) Social Behavior and Personality An International Journal 被引用 1,021
- W0689 より幸せになるには意志と正しい方法の両方が必要:ウェルビーイングを高める縦断的実験介入 Lyubomirsky(2011) Emotion 被引用 743
- W0886 小さなことに感謝する:感謝介入のメタ分析 Davis(2016) Journal of counseling and psychology 被引用 429
- W1044 小さなことこそ大切:日常の感謝は恋愛関係の「追加接種(ブースター)」になる Algoe(2010) Personal Relationships 被引用 441
- W1072 強みに基づくポジティブ介入:幸福感の向上と抑うつ軽減における可能性を示すさらなる証拠 Gander(2013) Journal of Happiness Studies 被引用 419
ほか 2 件
後続研究(この論文を引用している)
この一覧の中には見つかっていません。
読む・引用する
- 論文ページ
- https://doi.org/10.1007/s10902-020-00236-6
- 無料で読めるか
- × 有料(非OA)
- DOI
- 10.1007/s10902-020-00236-6
文献表記(APA第7版)
影響力の指標
- 著名度スコア
- 29.1 / 100 スコアとは
- 被引用数
- Semantic Scholar 187(うち影響引用 13)・ OpenAlex 212
- 年あたり被引用
- 26.7
- FWCI
- 2.3(同年・同分野の平均の何倍引用されたか)
- 同年同分野で
- 上位 7.2%
- 分野(OpenAlex)
- Mindfulness and Compassion Interventions
- 主要400の選定
- 著名度スコア上位(概念・年代枠内)
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
つながり ほかの保存版コレクションから、内容の近いもの
- 幸せに効くことマッサージマッサージは不安・抑うつに心理療法に近い効き目。触れられることの力
- 幸せに効くこと許しの介入(REACH/Enright)許しは相手のためではなく自分のため。構造化した手順なら抑うつ・不安が減る
- 禅語百選只管打坐ただひたすらに坐る。悟りを得るための手段としてではなく、坐ることそれ自体が、すでに悟りの現れであるとして坐る。
- 名言集私はただ一つのことだけを恐れる。私の苦しみに値しない者になることをフョードル・ドストエフスキー(とされる)
- 発達マップ個人で受けた後の有効な取り組み(処方)5つの発達段階で比べた表・幸福度診断(WBC)の分解
- 名言集親切な行為を意図的に行うことは、幸福感を高める最も確実な方法の一つであるソニア・リュボミアスキー
- 思想マップ悩み相談:上司からパワハラを受けている仕事・まず読むなら ケイパビリティ・アプローチ/Ubuntu/仏教(上座部)
- 調査・報告書アクサ マインドヘルス・レポート(AXA Mind Health Report)保険会社アクサが約18か国のネット調査で、心の健康の状態と職場の支援を毎年比べる報告書。
内容の近さをAIで自動計算して選んでいます。保存版コレクションの一覧 →