従業員の職場認知が組織の最終損益に及ぼす因果的影響
Causal Impact of Employee Work Perceptions on the Bottom Line of Organizations
James K. Harter, F. Schmidt, James W. Asplund et al.(2010)Perspectives on Psychological Science, 5(4), 378–389
10組織2178事業単位の縦断データで、従業員の職場認知から業績への影響が、業績から認知への影響より強かった。
要旨根拠:抄録
職場の条件の認識は働く人のウェルビーイングに重要であり、顧客ロイヤルティ、従業員の定着、収益、売上、利益は事業の成功に不可欠である。これらの成果が従業員の態度や職場条件の認識と相関することは知られていたが、因果の向きについての研究は決着していなかった。本研究は、10の大組織の2178事業単位を含む大規模な縦断データベースを用いて、従業員の認識がこれらの最終損益指標に因果的な影響を与えることを支持する証拠を見いだした。業績指標から従業員の認識への逆向きの影響もあったが、より弱かった。経営の行動や慣行が職場条件とその認識を通じて組織の成果を改善しうるとしている。
関係メモ——この研究のその後
- 先行・基盤W2346 Harter(2002)の事業所単位メタ分析とW2347 Judge(2001)の職務満足—成績メタ分析が示した横断的な関連に、縦断データで因果方向の証拠を加えた
- 後続・発展W2350 Edmans(2012)が企業価値へ、W2349 Oswald(2015)が実験へ、W2351 Bellet(2024)が週次パネルへと因果の検証を広げた
- 論争W2356 Tenney(2016)は逆因果や条件付き効果を含め未解明の点が残ると限定した
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
この論文が出てくる研究の系譜
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している) 2本
- W2346 事業所単位における従業員満足・従業員エンゲージメントと事業成果の関係:メタ分析 Harter(2002) Journal of Applied Psychology 主要400 被引用 5,104
- W2347 職務満足と職務成績の関係:質的・量的レビュー Judge(2001) Psychological bulletin 主要400 被引用 5,099
後続研究(この論文を引用している) 4本
- W0444 主観的ウェルビーイング科学の進展と未解決の問い Diener(2018) Collabra: Psychology 主要400 被引用 946
- W2350 職務満足と企業価値のつながり:企業の社会的責任への含意 Edmans(2012) Academy of Management Perspectives 主要400 被引用 608
- W0677 主観的ウェルビーイング研究の新知見と今後の方向性 Diener(2012) American Psychologist 被引用 680
- W1443 ウェルビーイングのより地球規模の理解に向けて:より包摂的な測定の提案 Lambert(2020) International Journal of Wellbeing 被引用 126
読む・引用する
- 論文ページ
- https://doi.org/10.1177/1745691610374589
- 無料で読めるか
- × 有料(非OA)
- DOI
- 10.1177/1745691610374589
文献表記(APA第7版)
影響力の指標
- 著名度スコア
- 23.2 / 100 スコアとは
- 被引用数
- Semantic Scholar 260(うち影響引用 7)・ OpenAlex 244
- 年あたり被引用
- 15.3
- FWCI
- 19.9(同年・同分野の平均の何倍引用されたか)
- 同年同分野で
- 上位 0.8%
- 分野(OpenAlex)
- Job Satisfaction and Organizational Behavior
- 主要400の選定
- 専門家判断(古典・定番)
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
つながり ほかの保存版コレクションから、内容の近いもの
- 調査・報告書職場のウェルビーイングと企業業績(Wellbeing Research Centre ワーキングペーパー2304)従業員のウェルビーイングが高い上場企業ほど、利益や企業価値、株価の成績が良い傾向を示した論文。
- 調査・報告書従業員のウェルビーイング、生産性、企業業績――エビデンスと事例(世界幸福・ウェルビーイング政策報告2019 第5章)従業員の満足度と生産性・顧客ロイヤルティ・離職・利益の関係を、339研究のメタ分析で示した章。
- 幸せに効くこと職場感謝介入職場の感謝日記は『誰との関係か』を書くと効きが変わるみたいです
- 発達マップ組織版:自己肯定力5つの発達段階で比べた表・サーベイ・診断とWBC組織版の読み方
- 発達マップ場面:手柄を横取りされた5つの発達段階で比べた表・人間関係の取扱説明書
- 名言集人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力稲盛和夫
- 思想マップ悩み相談:部下や後輩に、きつく当たってしまう(パワハラをしている側)仕事・まず読むなら 仏教(上座部)/ストア派/儒教(原始)
- 禅語百選不昧因果因果をくらまさない。悟った人も因果の法則の外に出るのではなく、因果を明らかに見て、その只中を生きる。
内容の近さをAIで自動計算して選んでいます。保存版コレクションの一覧 →