幸福と生産性
Happiness and Productivity
Andrew J. Oswald, Eugenio Proto, D. Sgroi(2015)Journal of Labor Economics, 33(4), 789–822
幸福感を実験的に高めると出来高作業の生産性が約12%上昇し、幸福と成績の間に因果関係があることを示した。
要旨根拠:抄録
従業員の幸福を重視すると語る企業は多いが、それが本当に生産性につながるのかは科学的に確かめられていなかった。本研究は、出来高払い(=成果に応じて報酬が決まる)の作業という典型的な場面で、幸福が生産性を高めるかを検証した。三つの異なる形式の実験室実験で、無作為に選んだ参加者をコメディ映像やお菓子などで幸せな気分にさせたところ、処置を受けた人は生産性が約12%高かった。四つ目の研究では、身内の死別や家族の病気といった現実の大きな出来事を調べ、幸福度が低いと生産性も系統的に低いことが分かった。強みと弱みが補い合う複数の証拠がそろって、人間のウェルビーイングと成績の間に因果的なつながりがあることを支持している。経済学の立場から「幸せな働き手は生産的」という主張に実験的根拠を与えた研究である。
関係メモ——この研究のその後
- 先行・基盤W0039 Lyubomirsky(2005)の幸福→成功という因果の向きの主張と、W0275 Isen(1987)のポジティブ感情の実験研究を土台に、実験で幸福→生産性の因果を検証した
- 後続・発展W2351 Bellet(2024)がコールセンターの週次パネルで実地に因果を補強し、W2344 Walsh(2018)がキャリア成功のエビデンスを再検討した
- 再現・検証W2353 Böckerman(2012)とW2355 DiMaria(2019)が欧州データで幸福・満足と生産性の関連を示した
- 論争W2356 Tenney(2016)は効果が条件付きで未解明の点が多いと限定した
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
この論文が出てくる研究の系譜
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している) 15本
- W0039 頻繁なポジティブ感情の効用:幸福は成功をもたらすのか Lyubomirsky(2005) Psychological bulletin 主要400 被引用 7,237
- W0111 幸福の追求:持続的な変化の構造 Lyubomirsky(2005) Review of General Psychology 主要400 被引用 3,220
- W0133 主観的幸福感――30年の進歩 Diener(1999) Psychological Bulletin 主要400 被引用 3,418
- W0146 さまよう心は不幸な心 Killingsworth(2010) Science 主要400 被引用 2,437
- W0234 ポジティブ感情とその認知への影響に関する神経心理学的理論 Ashby(1999) Psychology Review 主要400 被引用 2,363
- W0275 ポジティブ感情は創造的な問題解決を促進する Isen(1987) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 2,997
- W0334 幸福と経済パフォーマンス Oswald(1997) The Economic Journal 主要400 被引用 1,990
- W0369 なぜ失業者はこれほど不幸なのか?パネルデータによる証拠 Winkelmann(1998) Economica 主要400 被引用 1,903
- W0445 生活満足度の遅れと先行:ベースライン仮説の検証 Clark(2008) Social Science Research Network 主要400 被引用 1,215
- W0167 所得と幸福:統一理論に向けて Easterlin(2001) The Economic Journal 被引用 2,755
- W0198 ポジティブ感情は感情的ウェルビーイングへの上昇スパイラルを引き起こす Fredrickson(2002) Psychology Science 被引用 2,714
- W0262 職場における感情と創造性 Amabile(2005) Administrative Science Quarterly 被引用 2,147
ほか 3 件
後続研究(この論文を引用している) 6本
- W2351 従業員の幸福は生産性に影響するか Bellet(2024) Management Science 主要400 被引用 271
- W2344 幸福はキャリアの成功を促進するか?――証拠の再検討 Walsh(2018) Journal of Career Assessment 主要400 被引用 206
- W2356 ポジティビティは仕事の成績を高めるか:その理由、条件、そして未解明の点 Tenney(2016) Research in Organizational Behavior 主要400 被引用 137
- W1050 職場におけるポジティブ感情 Diener(2020) Annual Review of Organizational Psychology and Organizational Behavior 被引用 325
- W2355 幸福は重要である:主観的幸福感による生産性の向上 DiMaria(2019) Journal of Happiness Studies 被引用 170
- W1443 ウェルビーイングのより地球規模の理解に向けて:より包摂的な測定の提案 Lambert(2020) International Journal of Wellbeing 被引用 126
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- 論文ページ
- https://doi.org/10.1086/681096
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- DOI
- 10.1086/681096
文献表記(APA第7版)
影響力の指標
- 著名度スコア
- 60.1 / 100 スコアとは
- 被引用数
- Semantic Scholar 1,023(うち影響引用 4)・ OpenAlex 1,023
- 年あたり被引用
- 85.2
- FWCI
- 74.6(同年・同分野の平均の何倍引用されたか)
- 同年同分野で
- 上位 0.1%未満
- 分野(OpenAlex)
- Psychological Well-being and Life Satisfaction
- 主要400の選定
- 専門家判断(古典・定番)
- 注記
- S2の引用数(200)は分割レコードで過小のためOpenAlex値(1023)を使用
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
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