アイデンティティ・コミットメント(自我同一性達成)
価値・役割・進路など『自分はこういう人間だ』に自分で決めて関与している状態
幸せへの効果の大きさ
同一性達成型・早期完了型(コミットメント高)の人生満足が最も高く、拡散型が最低(η²=.13、米国大学生N≈9,000、6ステータス比較)
NA低減が主 達成型・早期完了型で抑うつ症状が低く、探索中モラトリアム型で最も高い(η²=.07)。心理的WB(η²=.19)・eudaimonic WB(η²=.30)は達成型が最高
- ほかの幸福度指標
- 心理的WB・eudaimonic WB・自尊心・内在化/外在化問題。縦断研究でもコミットメントはWBと正、反すう的探索は負
- なぜ効くのか
- 価値・目標への自己決定的コミットメントが方向性と自己一貫性を与え、反すう的な自己探索を終結させる
- 幸せの4因子
- やってみようありのままに ありのままに →自己定義へのコミット →やってみよう
こうすると更に効く
価値や目標に自分で決めてコミット(関与)することが方向性と一貫性を与え、『自分は何者か』をぐるぐる考え続ける反すう的な探索を終わらせる、というのが仕組みです。探索には『広がる探索』と『反すう的探索』があり、前者は適応的で後者は抑うつと結びつく(Schwartz et al., 2011)ので、探索するときは『試してみる』形にして、頭の中だけで回さないのがコツです。探索せずに決めた早期完了型も満足は高いのですが柔軟性に欠けるので、いくつか試したうえで決める、決めたあとも小さく見直す、が長持ちする形です。『ありのままに』と『やってみよう』の両方の因子に関わる要素です。
気をつけること
研究は横断が中心で、因果は未確定です。満足している人がコミットしやすいという逆方向も考えられます。知見は青年期から成人形成期(10代後半〜20代)の米国大学生が中心なので、中高年や日本の文脈でそのまま同じかは分かりません。『早く決めなきゃ』と焦ると、かえって反すう的探索に入りやすいので注意が必要です。自分が何者か分からない苦しさが長く続き、日常生活に支障が出ているときは、専門家に相談してください。
最初の一歩
『自分が大事にしたい価値』を3つ書き出して、そのうち1つを今週の行動1つに結びつけてみてください。決めきれなくても、試しに1つ選ぶところからで大丈夫です。
主要な研究
- Examining the light and dark sides of emerging adults' identity: A study of identity status differences in positive and negative psychosocial functioning(Schwartz et al., 2011, J Youth Adolesc)
メモ:横断で因果は未確定。早期完了型(探索なしのコミット)も人生満足は高いが柔軟性に欠ける点に注意。『探索』は適応的探索(広がり)と反すう的探索で逆方向。青年期・成人形成期の知見中心
原典と照合済み(3次)。効果の大きさは代表的な研究の値で、相関は因果を意味しません。
同じ「自分の見方」の項目
つながり ほかの保存版コレクションから、内容の近いもの
- 名言集アイデンティティとは、内的な斉一性と連続性を維持する自信であるエリク・エリクソン
- 主要研究概念「本来感・自律性・自己一致」自分らしくいられている感覚(本来感・authenticity)、自分の価値と行動の一致(自己一致)、自律性。
- 主要研究現代大学生における自己形成とアイデンティティ山田(2004)・大学生の日常活動が自己形成的に評価されるほどアイデンティティが高く、活動の文脈によって充実感や目標志向を支えることを示…
- 名言集自己こそ自分の主である。他人がどうして自分の主であろうかブッダ
- 発達マップ個人の意味構築5つの発達段階で比べた表・個人の段階の基本
- 禅語百選主人公自分の中の、本当の主(あるじ)。外の状況や他人の評価に振り回されない、本来の自己。
- 思想マップアドラー(個人心理学)自分は共同体の役に立っているという感覚(共同体感覚)を持って生きられれば、劣等感は勇気に変わり幸福は自ずと訪れる
- 調査・報告書主観的幸福を測る――OECDガイドライン主観的幸福を調査で測るときの質問文・尺度・聞く順番などを定めたOECDの国際的な指針。
内容の近さをAIで自動計算して選んでいます。保存版コレクションの一覧 →