汚職・腐敗の少なさ
政府・公的制度の腐敗の少なさ(清廉さ)
幸せへの効果の大きさ
(国レベル) 低腐敗=高幸福(腐敗10点悪化でSWB約−0.23点/126か国)
(国レベル分析中心)
- ほかの幸福度指標
- World Happiness Reportの重要説明変数
- なぜ効くのか
- 制度信頼・公共財の公正配分・不確実性低減
- 幸せの4因子
- なんとかなる なんとかなる(社会への信頼・安心)
こうすると更に効く
腐敗の少なさは制度信頼・公共財の公正な配分・不確実性の低減を通して幸福に効くとされているので、個人として活かせるのは「信頼できる制度に触れる経験」を増やすことでしょうか。126か国の分析では腐敗指標が10点悪化するとSWBが約0.23点下がるという推定があり(Li & An, 2019)、国レベルでは無視できない大きさです。住む国を選ぶのは現実的でなくても、公正な手続きで運営されている組織・コミュニティに身を置くこと、職場で「えこひいきがない」「ルールが明示されている」状態をつくることは、同じメカニズム(公正への信頼→安心)を小さく再現できます。
気をつけること
これは国同士を比べた横断的な分析が中心なので、「清廉だから幸福」なのか「豊かで幸福な国は腐敗も少ない」のか、所得や制度の質といった第三の要因の切り分けは十分ではありません。感情(PANAS)レベルの分離報告は少なく、主に生活満足での知見です。係数の値は原典の確認が必要という注記もあるので、数字そのものより方向を受け取るのがよさそうです。個人の体験としての「不公正感」とは別の話で、国の話と自分の話を混ぜないのがコツです。
最初の一歩
今週は、自分が関わる組織やコミュニティの「お金や評価の決め方」がどれくらい見えているかを一度点検してみてはどうでしょう。見えていないと感じたら、「決め方を知りたい」と一言聞いてみるだけでも、公正への信頼の第一歩になります。
主要な研究
- Corruption takes away happiness: Evidence from a cross-national study(Li & An, 2019, 126か国)
メモ:Li & An(2019, J Happiness Studies)で書誌確認。126か国・係数は原典要確認
原典と照合済み。効果の大きさは代表的な研究の値で、相関は因果を意味しません。
同じ「政治・制度・政策」の項目
つながり ほかの保存版コレクションから、内容の近いもの
- 名言集幸福な社会の鍵は、所得だけではない。社会的支援、健康、自由、寛容、そして信頼であるジョン・ヘリウェルほか
- 主要研究貧しい国の住民は豊かな国の住民よりも人生の意味を強く感じているOishi(2014)・豊かな国ほど生活満足度は高いが人生の意味の感覚は低く、その差は宗教性で説明されることを示した。
- 名言集道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である二宮尊徳(とされる)
- 発達マップ人生の豊かさ5つの発達段階で比べた表・人生の歩み
- 主要研究人生はどうか?:個人と国の変数を組み合わせて主観的ウェルビーイングを説明するHelliwell(2003)・健康、婚姻、雇用、信頼、政府の質など個人と国の要因が、国際的な生活満足の違いを大きく説明することを示した。
- 思想マップ功利主義快や苦を感じうる者すべて(人間以外の動物も含む)の快の総和が最大になる状態こそ、幸福であり善である
- 禅語百選無事是貴人外に何かを求めてあくせくしない人こそ、本当に貴い人である。「無事」とは、求める心が止んでいること。
- 調査・報告書レガタム繁栄指数健康・教育・自由・家族や地域のつながりなど多くの統計を合わせ、国の「繁栄」を順位にする指数。
内容の近さをAIで自動計算して選んでいます。保存版コレクションの一覧 →