社会的流動性
世代間・世代内の社会的地位の上昇/下降
幸せへの効果の大きさ
(小)(推定) 上昇移動で小さな正、下降で負。メタ(21研究・N=157,763・105効果量)で上昇移動者は安定高SESより精神健康問題が多く(d=0.11)、安定低SESより少ない(d=−0.24);下降移動者は安定高SESより多い(d=0.26)
- ほかの幸福度指標
- 中年期well-beingを予測(英国コホート)
- なぜ効くのか
- 達成感・相対的地位変化・コントロール感(locus of controlが調整)
- 幸せの4因子
- やってみようなんとかなる なんとかなる/やってみよう
こうすると更に効く
Islam & Jaffee(2024)のメタ分析(21研究・N=157,763)では、上昇移動した人は安定して高SESの人より精神健康問題がやや多く(d=0.11)、安定して低SESの人よりは少ない(d=−0.24)、下降移動した人は安定高SESより多い(d=0.26)という結果でした。つまり「現在の地位が主で、出自の残余効果は小さい」ということです。経路は達成感・相対的地位の変化・コントロール感で、コントロール感(locus of control)が調整要因とされます。英国コホートでも世代間移動が中年期のwell-beingを予測しました(2020, SSM)。付き合い方としては、上昇中なら出自の人間関係を切らず「二つの世界」を行き来する負荷を自覚すること、下降したときは地位ではなく「自分で決められる範囲」に焦点を戻すことが緩衝材になります。
気をつけること
メタ分析はありますがアウトカムは精神健康問題で、生活満足の直接のメタではありません。効果はd=0.1〜0.3と小さく異論もあり、観察研究なので精神健康が先で移動が起きる逆方向も残ります。社会的流動性は社会レベルの変数で個人が狙って動かせるものではないので、本行は「移動にはコストがある」ことを知るための行です。地位の変化で気分の落ち込みが続く場合は専門家に相談してください。
最初の一歩
自分の今の立場が親の頃と比べて上がったか下がったか、そしてそのとき「切れてしまった関係」があるかを一度振り返ってみるのがおすすめです。あれば、ひとつ連絡を取ってみるところから。
主要な研究
- Intergenerational social mobility predicts midlife well-being(2020, SSM)
- Social mobility and mental health: A systematic review and meta-analysis(Islam & Jaffee, 2024, Soc Sci Med)
メモ:Intergenerational social mobility predicts midlife well-being(2020, SSM)。効果小・異論あり。C妥当。v2.6:2024年メタで「現在のSESが主、出自SESの残余効果は小」が確認(効果はd=0.1〜0.3)。アウトカムは精神健康問題で生活満足の直接メタではない(確度C→A昇格)
原典と照合済み。効果の大きさは代表的な研究の値で、相関は因果を意味しません。
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