累進課税
高所得ほど税率が高くなる税制度(国レベル)
幸せへの効果の大きさ
Gallup 54か国で税の累進性が国民の人生評価と正(税率総額・政府支出は無関連)。米GSS 1972-2014(N=59,599)で累進税率が高い年ほど下位40%の幸福が高く、上位20%は有意に低下せず
累進性が高い国ほど日々のPAが多くNAが少ない(Gallup)
- ほかの幸福度指標
- 公共財(教育・交通)への満足が媒介。累進性は所得不平等を最大5年遅れで縮小し、それが低所得層の幸福を媒介
- なぜ効くのか
- 公正感と公共財の質→社会的信頼・安心。不平等縮小→相対的剥奪の緩和
- 幸せの4因子
- ありがとう ありがとう(公共財への信頼・公正感)→幸福度
こうすると更に効く
個人で動かせる話ではありませんが、効き方は興味深いです。Gallupの54か国データでは、税率の総額や政府支出の大きさは幸福と無関係で、『高所得ほど高い税率』という累進性だけが人生評価と正の関連を示しました(Oishi, Schimmack & Diener, 2012)。経路は教育や交通といった公共財への満足と公正感です。米国の長期データでは、累進性が高い年ほど下位40%の幸福が高く、上位20%は有意に下がっていませんでした(Oishi, Kushlev & Schimmack, 2018)。この効果を生活に引き寄せるなら、自分の税金が何に使われているかを知り、公共財を実際に使って『払った分が返ってきている』と感じることが、公正感という経路を自分で動かすことになるでしょうか。
気をつけること
国・年レベルの相関で、因果は未確定です。累進的な国はそもそも信頼や福祉の仕組みが整っていることが多く、第三の要因が絡みます。効果の大きさは『関連がある』レベルで、個人の幸福への直接効果ではありません。『税金が高いほど幸せ』とは言っていない点も誤読しやすいところです。政治的に意見が分かれる話題なので、データの示す範囲で受け取ってください。
最初の一歩
今週、自分の町の公共施設(図書館・公園・公民館)を1つ使ってみてください。税金の『戻り』を体感することが、この行を生活に落とし込む最小の一歩です。
主要な研究
- Progressive taxation and the subjective well-being of nations(Oishi, Schimmack & Diener, 2012, Psychol Sci)
- Progressive taxation, income inequality, and happiness(Oishi, Kushlev & Schimmack, 2018, Am Psychol)
メモ:国・年レベルの相関で因果は未確定。富裕層の幸福は下がらない(一般の予想と逆)。所得不平等(既収載)の政策側面
原典と照合済み(3次)。効果の大きさは代表的な研究の値で、相関は因果を意味しません。
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