強さと脆弱性の統合(SAVI):成人期を通じた感情的ウェルビーイングのモデル
Strength and Vulnerability Integration (SAVI): A Model of Emotional Well-Being Across Adulthood
S. Charles(2010)Psychological bulletin, 136(6), 1068–1091
高齢者は否定的刺激を避ける方略に長ける一方、持続的な強い覚醒には弱いとするSAVIモデルを提案した。
要旨根拠:抄録
成人期を通じて感情調整と感情的ウェルビーイングに影響する要因を説明するため、本論文は「強さと脆弱性の統合(SAVI)」という理論モデルを提示した。モデルによれば、成人の発達には、否定的な刺激への接触を避けたり制限したりする方略の使用が加齢とともに上達するという「強さ」と、強い感情的覚醒(=興奮や動揺が高まった状態)が長く続く状況での「脆弱性」の両方がある。高齢者は感情的苦痛を回避・軽減できる状況では若年者より良好に反応するが、持続的な高い覚醒を経験すると感情的ウェルビーイングにおける年齢の優位は弱まる。その場合、高齢者は恒常性(=心身の平常な状態)へ戻ることがより難しいと仮定される。SAVIは感情と加齢に関する文献を統一的に理解し、成人期の感情体験の軌跡を予測するための検証可能なモデルとして位置づけられる。
関係メモ——この研究のその後
- 先行・基盤同年のW0374 Charles(2010)の総説と、W0312 Carstensen(2003)の社会情動的選択性理論、W0433 Mroczek(1998)の年齢と感情の研究を統合してモデル化した
- 後続・発展W1170 Carstensen(2020)が、コロナ禍の脅威下でも高齢者の感情面の優位が保たれることを示した
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している) 13本
- W0006 所属欲求:人間の根本的動機としての対人的愛着への欲求 Baumeister(1995) Psychological bulletin 主要400 被引用 22,538
- W0007 ポジティブ心理学におけるポジティブ感情の役割:拡張-形成理論 Fredrickson(2001) American Psychologist 主要400 被引用 15,016
- W0010 ストレス、ソーシャルサポート、および緩衝仮説 Cohen(1985) Psychological bulletin 主要400 被引用 18,943
- W0025 心理的幸福感の構造再考 Ryff(1995) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 9,953
- W0039 頻繁なポジティブ感情の効用:幸福は成功をもたらすのか Lyubomirsky(2005) Psychological bulletin 主要400 被引用 7,237
- W0047 自己不一致:自己と感情を関係づける理論 Higgins(1987) Psychology Review 主要400 被引用 7,060
- W0133 主観的幸福感――30年の進歩 Diener(1999) Psychological Bulletin 主要400 被引用 3,418
- W0374 社会的・情動的な加齢 Charles(2010) Annual Review of Psychology 主要400 被引用 1,473
- W0433 年齢がポジティブ感情とネガティブ感情に及ぼす影響:幸福の発達的視点 Mroczek(1998) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 1,666
- W0173 健康的な感情調整と不健康な感情調整:性格過程、個人差、生涯発達 John(2004) Journal of Personality 被引用 2,463
- W0197 ポジティブ感情と人間のフラリッシングの複雑なダイナミクス Fredrickson(2005) American Psychologist 被引用 2,269
- W0274 抑うつ症状の特異的な危険因子としての孤独感:横断的・縦断的分析 Cacioppo(2006) Psychology and Aging 被引用 2,250
ほか 1 件
後続研究(この論文を引用している) 3本
- W1170 COVID-19パンデミックの脅威下でも持続する感情体験における加齢の優位性 Carstensen(2020) Psychology Science 被引用 228
- W1254 レジリエンスの教訓:COVID-19パンデミック初期の高齢者の対処 Fuller(2020) The gerontologist 被引用 208
- W1312 COVID-19関連ストレスにおけるリスク要因とレジリエンス要因の年齢差 Pearman(2020) The journals of gerontology. Series B, Psychological sciences and social sciences 被引用 193
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- 論文ページ
- https://doi.org/10.1037/a0021232
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- DOI
- 10.1037/a0021232
文献表記(APA第7版)
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- 年あたり被引用
- 62.8
- FWCI
- 25.3(同年・同分野の平均の何倍引用されたか)
- 同年同分野で
- 上位 0.3%
- 分野(OpenAlex)
- Psychological Well-being and Life Satisfaction
- 主要400の選定
- 著名度スコア上位(概念・年代枠内)
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
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