幸福の追求:持続的な変化の構造
Pursuing Happiness: The Architecture of Sustainable Change
S. Lyubomirsky, Kennon M. Sheldon, D. Schkade(2005)Review of General Psychology, 9(2), 111–131
幸福の水準は遺伝的設定点・環境・意図的活動で決まり、意図的活動こそ持続的に幸福を高める鍵だと提案した。
要旨根拠:抄録
幸福を高めたいと願う人は多いが、幸福は遺伝で決まっており、良い出来事にもすぐ慣れてしまう(快楽順応)という悲観的な見方から、幸福を持続的に高める方法の研究は少なかった。本論文は、これまでの幸福研究を整理し、慢性的な幸福の水準は、遺伝的に決まる設定点、生活環境などの状況要因、そして本人が意図的に取り組む活動や実践の3つによって決まるというモデルを提案した。個人差のうちおよそ半分が設定点、1割が状況、残りが意図的活動によると見積もった図式は広く知られるようになった。順応の仕組みを考えると、状況の変化より意図的活動のほうが慣れが生じにくく、持続的に幸福を高める最大の機会になると論じ、予備的な介入研究2つを示した。幸福を高める介入研究を大きく後押しした理論である。
関係メモ——この研究のその後
- 先行・基盤W0474 Lykken & Tellegen(1996)の遺伝的セットポイント論やW0470 Brickman(1978)の快楽の踏み車を踏まえ、意図的活動による変化の余地を主張した
- 反証・修正「遺伝50%・環境10%・意図的活動40%」の円グラフについて、一覧外:Brown & Rohrer (2020)が遺伝率の誤用など根拠の問題を指摘し、著者ら自身も一覧外:Sheldon & Lyubomirsky (2021)で数値が誤解を招くとして修正した
- 後続・発展W0598 Sheldon & Lyubomirsky(2006)とW0373 Lyubomirsky & Layous(2013)がポジティブ活動モデルへ発展させた。
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している) 14本
- W0003 目標追求の「何を」と「なぜ」――人間の欲求と行動の自己決定 Deci(2000) Psychological Inquiry 主要400 被引用 31,269
- W0006 所属欲求:人間の根本的動機としての対人的愛着への欲求 Baumeister(1995) Psychological bulletin 主要400 被引用 22,538
- W0007 ポジティブ心理学におけるポジティブ感情の役割:拡張-形成理論 Fredrickson(2001) American Psychologist 主要400 被引用 15,016
- W0014 ポジティブ心理学:序論 Seligman(2000) American Psychologist 主要400 被引用 15,225
- W0016 主観的幸福感 Diener(1984) Psychological bulletin 主要400 被引用 14,738
- W0048 幻想とウェルビーイング——メンタルヘルスに関する社会心理学的視点 Taylor(1988) Psychological bulletin 主要400 被引用 8,186
- W0072 主観的幸福の尺度:信頼性と構成概念妥当性の予備的検証 Lyubomirsky(1999) Social Indicators Research 主要400 被引用 4,087
- W0095 恵みを数えるか重荷を数えるか:日常生活における感謝と主観的幸福感の実験的検討 Emmons(2003) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 3,378
- W0133 主観的幸福感――30年の進歩 Diener(1999) Psychological Bulletin 主要400 被引用 3,418
- W0156 幸せなパーソナリティ――137の性格特性と主観的幸福感のメタ分析 Deneve(1998) Psychological bulletin 主要400 被引用 2,946
- W0179 アメリカンドリームのさらなる検討:内発的目標と外発的目標の異なる相関 Kasser(1996) Personality and Social Psychology Bulletin 主要400 被引用 2,682
- W0196 目標追求、欲求充足、縦断的ウェルビーイング:自己一致モデル Sheldon(1999) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 2,498
ほか 2 件
後続研究(この論文を引用している) 15本
- W0039 頻繁なポジティブ感情の効用:幸福は成功をもたらすのか Lyubomirsky(2005) Psychological bulletin 主要400 被引用 7,237
- W0042 ポジティブ心理学の進展:介入の実証的検証 Seligman(2005) American Psychologist 主要400 被引用 5,621
- W0098 ポジティブ心理学介入によるウェルビーイング向上と抑うつ症状の軽減:実践に役立つメタ分析 Sin(2009) Journal of Clinical Psychology 主要400 被引用 2,881
- W0177 開かれた心が人生を築く:慈悲の瞑想によるポジティブ感情が重要な個人的資源を築く Fredrickson(2008) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 2,348
- W0192 感謝とウェルビーイング:レビューと理論的統合 Wood(2010) Clinical Psychology Review 主要400 被引用 1,979
- W0208 短時間の社会的所属介入がマイノリティ学生の学業成績と健康を改善する Walton(2011) Science 主要400 被引用 1,933
- W0250 欧州のフラリッシング:ウェルビーイングを定義する新たな概念枠組みの適用 Huppert(2011) Social Indicators Research 主要400 被引用 1,731
- W0292 快楽の踏み車を超えて:ウェルビーイングの適応理論の改訂 Diener(2006) American Psychologist 主要400 被引用 1,854
- W0344 SNSは主観的ウェルビーイングを高めるか損なうか:批判的レビュー Verduyn(2017) Social Issues and Policy Review 主要400 被引用 1,111
- W0346 ポジティブ・ボディイメージとは何か、何ではないか:概念的基盤と構成概念の定義 Tylka(2015) Body image 主要400 被引用 1,178
- W0373 シンプルなポジティブ活動はどのようにウェルビーイングを高めるのか Lyubomirsky(2013) Current Directions in Psychological Science 主要400 被引用 1,228
- W0424 快楽を追うか美徳を追うか:快楽的動機とエウダイモニックな動機がもたらすウェルビーイングの違いと重なり Huta(2010) Journal of Happiness Studies 主要400 被引用 1,238
ほか 3 件
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文献表記(APA第7版)
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- Semantic Scholar 3,220(うち影響引用 170)・ OpenAlex 3,230
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- FWCI
- 53.4(同年・同分野の平均の何倍引用されたか)
- 同年同分野で
- 上位 0.1%未満
- 分野(OpenAlex)
- Psychological Well-being and Life Satisfaction
- 主要400の選定
- 専門家判断(古典・定番)
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
つながり ほかの保存版コレクションから、内容の近いもの
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