ポジティブ感情は健康に影響するか
Does positive affect influence health?
S. Pressman, Sheldon Cohen(2005)Psychological bulletin, 131(6), 925–971
特性としてのポジティブ感情が病気の少なさや長寿と関連する一方、方法論上の課題も多いことを総説し、研究の理論枠組みを提案した。
要旨根拠:抄録
ポジティブ感情が身体の健康を良くするという考えは広く知られているが、その証拠は十分に整理されていなかった。本総説は、ポジティブ感情と身体的健康を結びつける文献に一貫したパターンがある一方、概念上・方法上の深刻な問題もあることを示した。証拠からは、特性としてのポジティブ感情は罹患率の低さと、状態・特性のポジティブ感情は症状や痛みの少なさと関連し、地域に住む高齢者では長寿とも関連していた。重い病気からの生存との関係は一貫しなかった。実験で強く興奮したポジティブ感情を誘導すると一時的に生理的覚醒が高まり、免疫・心血管・呼吸機能に悪影響を及ぼしうるが、日常場面の穏やかなポジティブ感情ではむしろ健康保護的な反応が見られた。今後の研究を導く理論的枠組みも提案されている。
関係メモ——この研究のその後
- W0435 Chida(2008)がポジティブなWBが死亡率の低下と関連することを前向き研究のメタ分析で確認し、W0942 Howell(2007)も健康への影響を統合した
- 後続・発展W0181 Diener(2011)とW0778 Diener(2017)が幸福が健康と長寿に寄与する経路を整理し、W0613 Boehm(2012)が心血管疾患との関連を示した
- 日本語版・翻訳日本ではW1503 Tanno(2009)が生きがいと死亡率の関連を示した
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している) 15本
- W0002 ポジティブ感情とネガティブ感情の簡便な尺度の開発と妥当性検証:PANAS尺度 Watson(1988) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 41,735
- W0014 ポジティブ心理学:序論 Seligman(2000) American Psychologist 主要400 被引用 15,225
- W0016 主観的幸福感 Diener(1984) Psychological bulletin 主要400 被引用 14,738
- W0039 頻繁なポジティブ感情の効用:幸福は成功をもたらすのか Lyubomirsky(2005) Psychological bulletin 主要400 被引用 7,237
- W0044 ポジティブ感情は何の役に立つのか Fredrickson(1998) Review of General Psychology 主要400 被引用 6,229
- W0116 PANAS-Xマニュアル:ポジティブ・ネガティブ感情尺度(拡張版) Watson(1994) University of Iowa(マニュアル) 主要400 被引用 3,653
- W0117 ポジティブ・ネガティブ感情尺度(PANAS):大規模な非臨床サンプルにおける構成概念妥当性、測定特性、基準値 Crawford(2004) British Journal of Clinical Psychology 主要400 被引用 3,054
- W0156 幸せなパーソナリティ――137の性格特性と主観的幸福感のメタ分析 Deneve(1998) Psychological bulletin 主要400 被引用 2,946
- W0234 ポジティブ感情とその認知への影響に関する神経心理学的理論 Ashby(1999) Psychology Review 主要400 被引用 2,363
- W0240 とても幸せな人々 Diener(2002) Psychology Science 主要400 被引用 2,414
- W0416 ウェルビーイング指標の弁別的妥当性 Lucas(1996) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 1,907
- W0470 宝くじ当選者と事故の被害者——幸福は相対的か? Brickman(1978) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 2,198
ほか 3 件
後続研究(この論文を引用している) 15本
- W0039 頻繁なポジティブ感情の効用:幸福は成功をもたらすのか Lyubomirsky(2005) Psychological bulletin 主要400 被引用 7,237
- W0076 相対所得、幸福、効用:イースタリン・パラドックスとその他の謎の説明 Clark(2008) Journal of Economic Literature 主要400 被引用 3,386
- W0098 ポジティブ心理学介入によるウェルビーイング向上と抑うつ症状の軽減:実践に役立つメタ分析 Sin(2009) Journal of Clinical Psychology 主要400 被引用 2,881
- W0181 幸福な人は長生きする:主観的ウェルビーイングは健康と長寿に寄与する Diener(2011) Applied Psychology Health and Well-Being 主要400 被引用 2,497
- W0185 ポジティブ心理学介入:無作為化比較試験のメタ分析 Bolier(2013) BMC Public Health 主要400 被引用 1,877
- W0189 主観的ウェルビーイング研究の進展 Diener(2018) Nature Human Behaviour 主要400 被引用 1,748
- W0374 社会的・情動的な加齢 Charles(2010) Annual Review of Psychology 主要400 被引用 1,473
- W0435 ポジティブな心理的ウェルビーイングと死亡率:前向き観察研究の定量的レビュー Chida(2008) Psychosomatic Medicine 主要400 被引用 1,498
- W0444 主観的ウェルビーイング科学の進展と未解決の問い Diener(2018) Collabra: Psychology 主要400 被引用 946
- W0778 主観的ウェルビーイングは健康に影響するのか、なぜ、いつ影響するのか:今後必要な研究 Diener(2017) Applied Psychology: Health and Well-Being 主要400 被引用 600
- W0332 ソーシャルサポートの新しい見方:人間関係を通じた繁栄に関する理論的視点 Feeney(2014) Personality and Social Psychology Review 被引用 1,316
- W0363 心理的ウェルビーイング:その原因と結果に関するエビデンス Huppert(2009) Applied Psychology Health and Well-Being 被引用 1,504
ほか 3 件
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文献表記(APA第7版)
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- Semantic Scholar 2,157(うち影響引用 123)・ OpenAlex 2,098
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- FWCI
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- 同年同分野で
- 上位 0.1%未満
- 分野(OpenAlex)
- Psychological Well-being and Life Satisfaction
- 主要400の選定
- 専門家判断(古典・定番)
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
つながり ほかの保存版コレクションから、内容の近いもの
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- 思想マップポジティブ心理学3.0幸せは個人の中だけにあるのではなく、文化・関係・制度・生態系という複雑なシステムのなかで立ち上がる——だから幸せの物差しも一つではない
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