アプリシエーション(価値を味わう力):価値と意味を見いだす個人差は主観的幸福感の独自の予測因子である
Appreciation: individual differences in finding value and meaning as a unique predictor of subjective well-being.
Mitchel Adler, N. Fagley(2005)Journal of Personality, 73(1), 79–114
物事の価値や意味に気づき味わう傾向を8側面で測る尺度を開発し、楽観性などを統制しても生活満足を予測することを示した。
要旨根拠:抄録
アプリシエーション(=出来事・人・物の価値や意味に気づき、肯定的な情緒的つながりを感じること)は幸福感や他者との絆を高めると考えられてきたが、測定法が整っていなかった。著者らは「持っているものへの注目」「畏敬」「儀式」「今この瞬間」「自己・社会的比較」「感謝」「喪失・逆境」「対人関係」の8側面を定義し、各下位尺度と合計得点を作成した。全体尺度の信頼性は高く(α=.94)、長版と.95で相関する18項目の短縮版も開発した。尺度は生活満足、ポジティブ感情、ネガティブ感情と予測通りに関連した。さらに楽観性、スピリチュアリティ、情動への自己気づきを統計的に統制しても、アプリシエーションは生活満足とポジティブ感情を有意に予測した。感謝を含むより広い「味わう力」が幸福感の独自の源泉であり、学習可能な資質として介入の対象になりうることを示唆する。
関係メモ——この研究のその後
- 先行・基盤W1015 Emmons & Crumpler(2000)やW0381 McCullough(2001)の感謝研究を、価値や意味に気づく広い傾向(アプリシエーション)へ拡張した
- 後続・発展W0192 Wood(2010)が感謝研究の統合レビューで、鑑賞を含む広義の感謝として位置づけた
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している) 14本
- W0001 自己決定理論と、内発的動機づけ・社会的発達・ウェルビーイングの促進 Ryan(2000) American Psychologist 主要400 被引用 41,852
- W0002 ポジティブ感情とネガティブ感情の簡便な尺度の開発と妥当性検証:PANAS尺度 Watson(1988) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 41,735
- W0005 人生満足度尺度(Satisfaction With Life Scale) Diener(1985) Journal of Personality Assessment 主要400 被引用 31,990
- W0014 ポジティブ心理学:序論 Seligman(2000) American Psychologist 主要400 被引用 15,225
- W0035 楽観性を神経症傾向(および特性不安、自己統御感、自尊感情)と区別する:生活志向性テスト(LOT)の再評価 Scheier(1994) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 7,701
- W0071 意志と道筋:希望の個人差を測る尺度の開発と妥当性の検証 Snyder(1991) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 4,829
- W0160 ストレスの多いライフイベント、性格、健康:ハーディネスの探究 Kobasa(1979) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 4,009
- W0381 感謝は道徳的感情か McCullough(2001) Psychological bulletin 被引用 1,677
- W0646 生活の質尺度(QOLI)の臨床的妥当化:治療計画と効果評価に用いる生活満足の測定 Frisch(1992) Psychological Assessment 被引用 1,086
- W0748 逆境から恩恵を見出すこと:適応上の意義と気質的な基盤 Affleck(1996) Journal of Personality 被引用 1,037
- W0887 人間の強みとしての許し:理論、測定、ウェルビーイングとの関連 McCullough(2000) Journal of Social and Clinical Psychology 被引用 592
- W0891 気分と日常:日々の出来事と自己報告された気分の関係 Clark(1988) Journal of Personality and Social Psychology 被引用 888
ほか 2 件
後続研究(この論文を引用している) 3本
- W0192 感謝とウェルビーイング:レビューと理論的統合 Wood(2010) Clinical Psychology Review 主要400 被引用 1,979
- W0149 人生満足尺度(SWLS)と生活満足という構成概念の展開 Pavot(2008) The Journal of Positive Psychology 被引用 2,399
- W0999 COVID-19パンデミックが主観的な精神的ウェルビーイングに与える影響——知覚された脅威、将来不安、レジリエンスの相互作用 Paredes(2020) Personality and Individual Differences 被引用 335
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- https://doi.org/10.1111/J.1467-6494.2004.00305.X
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文献表記(APA第7版)
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- 被引用数
- Semantic Scholar 608(うち影響引用 38)・ OpenAlex 555
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- 27.6
- FWCI
- 1.7(同年・同分野の平均の何倍引用されたか)
- 同年同分野で
- 上位 16.3%
- 分野(OpenAlex)
- Optimism, Hope, and Well-being
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
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