シンプルなポジティブ活動はどのようにウェルビーイングを高めるのか
How Do Simple Positive Activities Increase Well-Being?
S. Lyubomirsky, Kristin Layous(2013)Current Directions in Psychological Science, 22(1), 57–62
感謝や親切などのポジティブ活動が幸福を高める条件と仕組みを整理した「ポジティブ活動モデル」を提案した。
要旨根拠:抄録
感謝を表す、親切にするといった意図的でシンプルなポジティブ活動によって幸福を高められることが、理論と研究から示されてきた。本論文は、そうした効果がどのような条件で最大になり、どのような仕組みで生じるのかを整理する「ポジティブ活動モデル」を提案した。モデルでは、活動の特徴(実施量や種類の多様さ)、人の特徴(動機づけや努力)、そして人と活動の相性(パーソン・アクティビティ・フィット)が、効果の大きさを左右する調整要因とされる。また、効果を媒介する要因として、ポジティブ感情、ポジティブ思考、ポジティブ行動、心理的欲求の充足(=自律・有能・関係の欲求が満たされること)の四つを挙げている。これを支持する実証知見と今後の課題も論じられ、幸福介入を設計する際の実践的な指針となっている。
関係メモ——この研究のその後
- 先行・基盤W0111 Lyubomirsky(2005)の持続的幸福モデルとW0689 Lyubomirsky(2011)の介入実験を土台に、活動と人の適合を組み込んだモデルへ整理した
- 後続・発展W0985 Quoidbach(2015)が感情調整の観点からポジティブ介入を再整理した
- W1328 Koydemir(2020)やW0815 Agteren(2021)のメタ分析が、ポジティブ介入の効果は小〜中程度で確かに存在することを示し、W0886 Davis(2016)は感謝介入単体の効果が控えめであることを示した
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している) 15本
- W0001 自己決定理論と、内発的動機づけ・社会的発達・ウェルビーイングの促進 Ryan(2000) American Psychologist 主要400 被引用 41,852
- W0007 ポジティブ心理学におけるポジティブ感情の役割:拡張-形成理論 Fredrickson(2001) American Psychologist 主要400 被引用 15,016
- W0039 頻繁なポジティブ感情の効用:幸福は成功をもたらすのか Lyubomirsky(2005) Psychological bulletin 主要400 被引用 7,237
- W0042 ポジティブ心理学の進展:介入の実証的検証 Seligman(2005) American Psychologist 主要400 被引用 5,621
- W0089 主観的幸福感:幸福の科学と国民幸福指標の提案 Diener(2000) American Psychologist 主要400 被引用 3,789
- W0095 恵みを数えるか重荷を数えるか:日常生活における感謝と主観的幸福感の実験的検討 Emmons(2003) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 3,378
- W0098 ポジティブ心理学介入によるウェルビーイング向上と抑うつ症状の軽減:実践に役立つメタ分析 Sin(2009) Journal of Clinical Psychology 主要400 被引用 2,881
- W0111 幸福の追求:持続的な変化の構造 Lyubomirsky(2005) Review of General Psychology 主要400 被引用 3,220
- W0177 開かれた心が人生を築く:慈悲の瞑想によるポジティブ感情が重要な個人的資源を築く Fredrickson(2008) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 2,348
- W0320 外向性と神経症傾向が主観的幸福感に及ぼす影響――幸せな人と不幸な人 Costa(1980) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 2,866
- W0474 幸福は確率的な現象である Lykken(1996) Psychological Science 主要400 被引用 1,641
- W0683 なぜある人は他の人より幸せなのか:ウェルビーイングにおける認知的・動機的プロセスの役割 Lyubomirsky(2001) American Psychologist 被引用 988
ほか 3 件
後続研究(この論文を引用している) 15本
- W0444 主観的ウェルビーイング科学の進展と未解決の問い Diener(2018) Collabra: Psychology 主要400 被引用 946
- W0815 メンタル・ウェルビーイングを高める心理的介入の系統的レビューとメタ分析 Agteren(2021) Nature Human Behaviour 主要400 被引用 435
- W1096 親切の報酬?向社会性とウェルビーイングの関連に関するメタ分析 Hui(2020) Psychological bulletin 主要400 被引用 315
- W0697 子育ての苦しみと喜び:親であることは、いつ、なぜ、どのようにウェルビーイングの高低と関連するのか Nelson(2014) Psychological bulletin 被引用 641
- W0886 小さなことに感謝する:感謝介入のメタ分析 Davis(2016) Journal of counseling and psychology 被引用 429
- W0913 性格、ウェルビーイング、健康 Friedman(2014) Annual Review of Psychology 被引用 509
- W0970 幸せに「アプリ」を:幸福感を高めるスマートフォン版マインドフルネス介入のランダム化比較試験 Howells(2016) Journal of Happiness Studies 被引用 419
- W0985 ポジティブ介入:感情調整の視点から Quoidbach(2015) Psychological bulletin 被引用 437
- W1090 他者に尽くすか、自分にご褒美か?:向社会的行動と自己志向的行動が心理的フラリッシングに与える効果 Nelson(2016) Emotion 被引用 348
- W1093 ポジティブ心理療法:強みに基づくアプローチ Rashid(2015) The Journal of Positive Psychology 被引用 348
- W1110 自然の中でのフラリッシング:自然とつながることの恩恵と、幸福介入としての応用に関するレビュー Capaldi(2015) International Journal of Wellbeing 被引用 399
- W1120 レジリエンス・ポートフォリオ・モデル:暴力の被害者の健康的な適応を理解する Grych(2015) Psychology of Violence 被引用 283
ほか 3 件
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- 論文ページ
- https://doi.org/10.1177/0963721412469809
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- DOI
- 10.1177/0963721412469809
文献表記(APA第7版)
影響力の指標
- 著名度スコア
- 75.8 / 100 スコアとは
- 被引用数
- Semantic Scholar 1,228(うち影響引用 92)・ OpenAlex 1,215
- 年あたり被引用
- 87.7
- FWCI
- 77.4(同年・同分野の平均の何倍引用されたか)
- 同年同分野で
- 上位 0.1%未満
- 分野(OpenAlex)
- Psychological Well-being and Life Satisfaction
- 主要400の選定
- 著名度スコア上位(概念・年代枠内)
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
つながり ほかの保存版コレクションから、内容の近いもの
- 発達マップWBC:ポジティブ感情の高め方(段階別)5つの発達段階で比べた表・幸福度診断(WBC)の分解
- 発達マップウェルビーイングを高める有効な取り組み(支援メニュー)5つの発達段階で比べた表・幸せの4因子(個人)
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