認知的柔軟性
状況に応じて考え方や注意の切替えができる力(セット転換・解釈の柔軟さ)
幸せへの効果の大きさ
(推定) 系統的レビュー(147研究)で低柔軟性と抑うつの関連は横断で概ね支持だが混在、縦断は少数。人生満足の直接メタなし
(推定) 抑うつ症状と負。ストレス下で関連が強まる
- ほかの幸福度指標
- 抑うつ・不安。セット転換課題(WCST等)と自己報告の柔軟性(CFI)は相関が低く別物として扱う必要
- なぜ効くのか
- 反芻からの脱却・再評価の実行→ネガティブ感情の持続短縮
- 幸せの4因子
- なんとかなる なんとかなる →柔軟な捉え直し →幸福度
こうすると更に効く
認知的柔軟性(セット転換や解釈の柔軟さ)の低さは、147研究の系統的レビューで抑うつと横断的に概ね関連していました(Stange, Alloy & Fresco, 2017)。活かすコツは、反すうに気づいたら注意の対象を切り替える練習と、1つの出来事に複数の解釈を出す練習をセットにすること。ストレス下で関連が強まるので、忙しいときや疲れたときこそ「別の見方はないか」と問う価値があります。課題で測る柔軟性と自己報告の柔軟性は別物なので、生活で実感できるのは後者の「解釈の柔軟さ」です。
気をつけること
根拠はまだ弱く(確度B)、縦断研究は少数で、因果の証拠は弱いです。抑うつが柔軟性を下げる逆方向も十分あります。人生満足との直接のメタ分析はありません。ACTでいう心理的柔軟性とは別概念で、実行機能の下位でもあります。柔軟であろうとしすぎて決断できなくなるのも困るので、「切り替えられる」と「決められる」のバランスが大事です。
最初の一歩
今日、同じ考えがぐるぐるしていると気づいたら、「別の見方は?」と1回だけ問いかけて、答えが出なくても視線を変えてみてください。切り替えの回路を作る最初の一歩です。
主要な研究
- Inflexibility as a vulnerability to depression: A systematic qualitative review(Stange, Alloy & Fresco, 2017, Clin Psychol Sci Pract)
メモ:『心理的柔軟性』(ACT)とは別概念→既収載があれば弁別。課題測定と質問紙で結果が異なる。因果の証拠は弱い(相関と因果を混同しない)
原典と照合済み(3次)。効果の大きさは代表的な研究の値で、相関は因果を意味しません。
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