世界の論文 ・ A06 幸福の経済学(所得・失業・格差) ・ W2332
主要400 幸せそのもの 実証
経済成長は人間の暮らしを改善するか?――いくつかの実証的証拠
Does Economic Growth Improve the Human Lot? Some Empirical Evidence
R. Easterlin(1974)Nations and Households in Economic Growth(書籍の章), 89–125
ひとことで
所得と幸福のパラドックス
国内では高所得者ほど幸福だが、経済成長で国全体の幸福は上がらないという「イースタリン・パラドックス」を示した。
要旨根拠:抄録
所得と幸福の関係を、1946〜1970年に19か国(アジア・アフリカ・中南米の11か国を含む)で行われた30の調査の主観的幸福の回答から調べた章である。国内では所得と幸福に明らかな正の関連があり、どの調査でも最も地位の高い層は最も低い層より平均して幸福だった。しかし、ある時点での国同士の比較では、そうした関連があるかどうかは不確かで、国内の差から予想される豊かな国と貧しい国の幸福の差は国際データでは見られなかった。1946年以降の米国の時系列でも、所得の上昇は幸福の上昇を伴っていなかった。その説明として、相対的な地位が幸福を左右するモデルを提案している。
関係メモ——この研究のその後
- 論争W2341 Stevenson & Wolfers(2008)やW1070 Hagerty & Veenhoven(2003)が国の豊かさと平均幸福度には正の関連があると反論し、W0551 Easterlin(2010)が短期の景気変動と10年以上の長期トレンドを区別すれば成長と幸福の関連は見られないと再反論した
- 後続・発展著者自身のW0163 Easterlin(1995)・W0167 Easterlin(2001)が相対所得と願望水準の上昇による説明を理論化し、W0174 Luttmer(2005)の近隣所得の負の効果やW0076 Clark(2008)の相対所得の総説が社会的比較の仕組みを実証した
- 後続・発展個人レベルでは、W0108 Kahneman & Deaton(2010)が感情的幸福は年収約7.5万ドルで頭打ちになると報告し、W1163 Killingsworth(2021)の反論を経て、W1246 Killingsworth・Kahneman・Mellers(2023)の敵対的共同研究で頭打ちは最も不幸な層に限られると整理された
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
この論文が出てくる研究の系譜
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している)
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後続研究(この論文を引用している) 15本
- W0016 主観的幸福感 Diener(1984) Psychological bulletin 主要400 被引用 14,738
- W0073 経済学者は幸福研究から何を学べるか Frey(2001) Social Science Research Network 主要400 被引用 4,078
- W0076 相対所得、幸福、効用:イースタリン・パラドックスとその他の謎の説明 Clark(2008) Journal of Economic Literature 主要400 被引用 3,386
- W0133 主観的幸福感――30年の進歩 Diener(1999) Psychological Bulletin 主要400 被引用 3,418
- W0172 主観的幸福感の測定の発展 Kahneman(2006) The Journal of Economic Perspectives 主要400 被引用 2,538
- W0174 隣人はマイナス要因:相対所得とウェルビーイング Luttmer(2005) SSRN Electronic Journal 主要400 被引用 2,415
- W0189 主観的ウェルビーイング研究の進展 Diener(2018) Nature Human Behaviour 主要400 被引用 1,748
- W0263 所得・健康・ウェルビーイングの世界比較:ギャラップ世界調査からのエビデンス Deaton(2008) Journal of Economic Perspectives 主要400 被引用 1,728
- W0334 幸福と経済パフォーマンス Oswald(1997) The Economic Journal 主要400 被引用 1,990
- W0353 国家の主観的幸福感を予測する要因 Diener(1995) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 1,914
- W0170 ウェルビーイングの社会的文脈 Helliwell(2004) Philosophical transactions of the Royal Society of London. Series B, Biological sciences 被引用 2,631
- W0232 不平等と幸福:アメリカ人とヨーロッパ人は異なるのか Alesina(2004) Journal of Public Economics 被引用 2,012
ほか 3 件
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文献表記(APA第7版)
Easterlin, R. A. (1974). Does economic growth improve the human lot? Some empirical evidence. In P. A. David & M. W. Reder (Eds.), Nations and households in economic growth: Essays in honor of Moses Abramovitz (pp. 89–125). Academic Press. https://doi.org/10.1016/b978-0-12-205050-3.50008-7
影響力の指標
- 著名度スコア
- 89.7 / 100 スコアとは
- 被引用数
- Semantic Scholar 4,788(うち影響引用 374)・ OpenAlex 4,430
- 年あたり被引用
- 90.3
- FWCI
- 9.1(同年・同分野の平均の何倍引用されたか)
- 同年同分野で
- 上位 2.7%
- 分野(OpenAlex)
- Psychological Well-being and Life Satisfaction
- 主要400の選定
- 専門家判断(古典・定番)
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
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