バーンアウト経験を理解する:最近の研究と精神医学への示唆
Understanding the burnout experience: recent research and its implications for psychiatry
C. Maslach, M. Leiter(2016)World Psychiatry, 15(2), 103–111
バーンアウト研究の到達点を整理し、精神医学が効果的な治療・予防戦略の特定に貢献できると提案した。
要旨根拠:抄録
バーンアウト(=仕事上の慢性的ストレスによる消耗・冷笑・効力感低下の状態)は過去数十年、多くの研究の焦点となり、尺度や理論モデルが開発されてきた。本論文はバーンアウト概念の提唱者であるマスラックらが、各国の研究成果を概観した総説である。研究の多くは対人援助職、特に医療職を対象としており、精神科医のバーンアウトも一般的な知見と同様の原因と結果を示す一方、困難な患者や暴力的な患者への対応といった固有のストレス要因が見出されている。現在の論点として、バーンアウトと精神疾患の関係、バーンアウトを単なる疲弊に還元しようとする再定義の動き、介入の評価研究の不足が挙げられる。著者らは、復職と職務での成功が治療目標である以上、精神医学が最も効果的な治療戦略を特定することで重要な貢献ができると論じている。
関係メモ——この研究のその後
- 先行・基盤W0021 Maslach & Jackson(1981)のMBIとW0011 Maslach(2001)の総説を土台にしている
- 後続・発展W0375 Salvagioni(2017)がバーンアウトの身体・心理・職業上の帰結を系統的に整理し、W0131 West(2018)が医師のバーンアウトの要因と対策を、W0460 Edú-Valsania(2022)が理論と測定を総括した
- 論争バーンアウトとうつ病の重なりが大きく独立した概念か疑わしいとの批判(一覧外:Bianchi, Schonfeld & Laurent, 2015)がある
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している) 11本
- W0008 仕事の要求度-資源モデル:最新の到達点 Bakker(2007) Journal of Managerial Psychology 主要400 被引用 13,007
- W0011 職務バーンアウト Maslach(2001) Annual Review of Psychology 主要400 被引用 13,595
- W0021 経験されたバーンアウトの測定 Maslach(1981) Journal of Organizational Behavior 被引用 13,906
- W0027 短縮版質問紙によるワーク・エンゲージメントの測定 Schaufeli(2006) Educational and Psychological Measurement 被引用 7,848
- W0099 コペンハーゲン・バーンアウト尺度:バーンアウト評価のための新しいツール Kristensen(2005) Work & Stress 被引用 2,990
- W0110 マスラック・バーンアウト尺度マニュアル Maslach(1996) Consulting Psychologists Press 被引用 3,722
- W0153 職務バーンアウトとエンゲージメントの早期予測因子 Maslach(2008) Journal of Applied Psychology 被引用 2,404
- W0227 バーンアウト:35年の研究と実践 Schaufeli(2009) Career Development International 被引用 1,992
- W0587 バーンアウトとワーク・エンゲイジメントは抑うつ症状と生活満足を予測するか:3時点7年間の前向き研究 Hakanen(2012) Journal of Affective Disorders 被引用 921
- W0713 バーンアウトの予防——新たな視点 Maslach(1998) Applied and Preventive Psychology 被引用 945
- W0954 バーンアウト——退屈から個人的成長へ Torem(1982) Free Press 被引用 727
後続研究(この論文を引用している) 6本
- W0131 医師のバーンアウト:要因、影響、解決策 West(2018) Journal of Internal Medicine 被引用 2,448
- W0289 経営リーダーシップと医師のウェルビーイング:エンゲージメントを高めバーンアウトを減らす9つの組織戦略 Shanafelt(2017) Mayo Clinic proceedings 被引用 1,623
- W0375 職業性バーンアウトの身体的・心理的・職業的帰結:前向き研究のシステマティックレビュー Salvagioni(2017) PLoS ONE 被引用 1,335
- W0460 バーンアウト:理論と測定のレビュー Edú-Valsania(2022) International Journal of Environmental Research and Public Health 被引用 792
- W0508 教師のストレス、バーンアウト、不安、抑うつ:スコーピングレビュー Agyapong(2022) International Journal of Environmental Research and Public Health 被引用 685
- W1145 教師の心理的特性は教師の効果性・ウェルビーイング・定着・対人関係にとって重要か?統合的レビュー Bardach(2021) Educational Psychology Review 被引用 227
読む・引用する
- 論文ページ
- https://doi.org/10.1002/wps.20311
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- ○ ブロンズ(出版社サイトで無料・ライセンス不明) 無料本文 ↗
- DOI
- 10.1002/wps.20311
文献表記(APA第7版)
影響力の指標
- 著名度スコア
- 95.6 / 100 スコアとは
- 被引用数
- Semantic Scholar 3,839(うち影響引用 233)・ OpenAlex 4,153
- 年あたり被引用
- 349
- FWCI
- 218.7(同年・同分野の平均の何倍引用されたか)
- 同年同分野で
- 上位 0.1%未満
- 分野(OpenAlex)
- Healthcare professionals’ stress and burnout
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
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