向社会的な教室:生徒・学級の成果と関連した教師の社会情動的コンピテンス
The Prosocial Classroom: Teacher Social and Emotional Competence in Relation to Student and Classroom Outcomes
Patricia A. Jennings, M. Greenberg(2009)Review of Educational Research, 79(1), 491–525
教師の社会情動的能力とウェルビーイングが良い学級風土と生徒の成長を支えるという「向社会的な教室」モデルを提案した。
要旨根拠:抄録
教師の社会情動的コンピテンス(SEC=自他の感情を理解し人間関係を上手に扱う力)とウェルビーイングが、教師と生徒の支持的な関係、効果的な学級経営、社会情動的学習プログラムの実施を支えるという「向社会的な教室」モデルを提案した論文である。このモデルでは、これらの要素が学びに適した学級風土を生み出し、生徒のポジティブな発達につながると考える。さらに、教師のSECとバーンアウトの関係を示唆する研究を概観し、ストレス低減やマインドフルネス(=今この瞬間に評価を加えずに注意を向けること)のプログラムによって教師のSECを支援する介入の取り組みをレビューした。最後に、教師のSECを高め生徒の学習成果を改善する介入の有効性を検証するための研究課題を提示している。教師のウェルビーイングを教育の質の土台と位置づけた影響力の大きい論文である。
関係メモ——この研究のその後
- 後続・発展W0766 Jennings(2013)がCAREプログラムのRCTで教師の社会情動的能力の育成を検証し、W0649 Flook(2013)とW0590 Meiklejohn(2012)が教師・学校へのマインドフルネス導入を進めた
- 後続・発展W0978 Harding(2019)が教師のウェルビーイングと生徒のウェルビーイングの関連を、W0827 Madigan & Kim(2021)が教師のバーンアウトが生徒の学業や動機づけを損なうことを系統的レビューで示し、モデルの中核仮説を支持した
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している) 9本
- W0003 目標追求の「何を」と「なぜ」――人間の欲求と行動の自己決定 Deci(2000) Psychological Inquiry 主要400 被引用 31,269
- W0007 ポジティブ心理学におけるポジティブ感情の役割:拡張-形成理論 Fredrickson(2001) American Psychologist 主要400 被引用 15,016
- W0009 今ここにいることの恩恵:マインドフルネスと心理的ウェルビーイングにおけるその役割 Brown(2003) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 13,431
- W0068 マインドフルネス:理論的基礎とその有益な効果のエビデンス Brown(2007) Psychological Inquiry 主要400 被引用 3,774
- W0991 同情と個人的苦痛の向社会的行動との関係:多方法による研究 Eisenberg(1989) Journal of Personality and Social Psychology 主要400 被引用 648
- W0230 MBSRプログラムにおけるマインドフルネス実践と、マインドフルネスの水準、身体的・心理的症状、ウェルビーイングとの関係 Carmody(2008) Journal of behavioral medicine 被引用 1,986
- W0432 医学生および医学部進学課程の学生に対するマインドフルネスストレス低減法の効果 Shapiro(1998) Journal of behavioral medicine 被引用 1,646
- W0484 人間存在の暗い面と明るい面:統一概念としての基本的心理欲求 Ryan(2000) Psychological Inquiry 被引用 1,278
- W0961 バーンアウト:小学校・中学校・高校教師間における因果構造の妥当性、再現性、不変性の検証 Byrne(1994) American Educational Research Journal 被引用 553
後続研究(この論文を引用している) 8本
- W0590 K-12教育へのマインドフルネス・トレーニングの統合:教師と生徒のレジリエンスを育む Meiklejohn(2012) Mindfulness 被引用 808
- W0728 教師のワーク・エンゲイジメントにおける感情調整と心理的ウェルビーイング:英国とイランの英語教師の事例 Greenier(2021) System (Linköping) 被引用 498
- W0766 教育における気づきとレジリエンスの育成(CARE)による教室の学習環境の改善:無作為化比較試験の結果 Jennings(2013) School psychology quarterly 被引用 586
- W0827 教師のバーンアウトは生徒に影響するか?:学業成績および生徒報告アウトカムとの関連に関するシステマティックレビュー Madigan(2021) International Journal of Educational Research 被引用 440
- W0895 学校ベースのポジティブ心理学介入のレビュー Waters(2011) The Australian Educational and Developmental Psychologist 被引用 497
- W0978 教師のメンタルヘルスとウェルビーイングは生徒のメンタルヘルスとウェルビーイングと関連するか? Harding(2019) Journal of Affective Disorders 被引用 401
- W1187 教師のウェルビーイングと職務満足:職場におけるポジティブ感情の重要な役割 Dreer(2021) Educational Studies 被引用 224
- W1334 教師の感情調整・バーンアウト・生活満足が児童のウェルビーイングに与える影響 Braun(2020) Journal of Applied Developmental Psychology 被引用 182
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- 論文ページ
- https://doi.org/10.3102/0034654308325693
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- DOI
- 10.3102/0034654308325693
文献表記(APA第7版)
影響力の指標
- 著名度スコア
- 94.7 / 100 スコアとは
- 被引用数
- Semantic Scholar 3,645(うち影響引用 320)・ OpenAlex 3,652
- 年あたり被引用
- 202.5
- FWCI
- 26.9(同年・同分野の平均の何倍引用されたか)
- 同年同分野で
- 上位 0.2%
- 分野(OpenAlex)
- Mindfulness and Compassion Interventions
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
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