マインドフルネスに基づく療法が不安と抑うつに与える効果:メタ分析的レビュー
The Effect of Mindfulness-Based Therapy on Anxiety and Depression: A Meta-Analytic Review
S. Hofmann, Alice T. Sawyer, Ashley A. Witt et al.(2010)Journal of Consulting and Clinical Psychology, 78(2), 169–183
臨床群においてマインドフルネスに基づく療法が不安と気分の症状を中程度に改善することを、39研究のメタ分析で示した。
要旨根拠:抄録
マインドフルネスに基づく療法は人気の治療法となったが、その有効性はよく分かっていなかった。本研究は、臨床サンプルにおける不安と気分症状への効果を効果量(=効果の大きさを示す標準化された指標)で評価することを目的とした。PubMed、PsycInfo、コクラン・ライブラリなどを検索し、がん、全般性不安障害、うつ病などさまざまな状態の参加者計1,140名を含む39研究を統合した。全体として、治療前後で不安(g = 0.63)と気分症状(g = 0.59)が中程度に改善し、不安障害・気分障害の患者では効果量がそれぞれ0.97、0.95と大きかった。効果は出版年やセッション数と無関係に頑健で、追跡期間でも維持された。マインドフルネス療法は臨床集団の不安・気分の問題に対する有望な介入であると結論づけた。
関係メモ——この研究のその後
- W0184 Khoury(2013)が209研究のメタ分析でマインドフルネス療法の中程度の効果を確認しつつ、認知行動療法など他の積極的治療とは同等であることを示し、W0164 Goyal(2014)は能動的対照と比べると不安・抑うつへの効果は小〜中程度にとどまると報告した
- 論争W0287 Van Dam(2017)がマインドフルネス研究の誇張や方法論上の弱さを批判した
- 後続・発展W0276 Gu(2015)がMBCT・MBSRの効果がマインドフルネスや反すうの変化に媒介されることを示した。
反証・修正は確信があるものだけ書いています。書かれていない=否定されていない、ではありません。
この論文が出てくる研究の系譜
研究のつながり
この一覧(世界 1,782本)の中での引用関係です。引用している=支持している、とは限りません。
先行研究(この論文が引用している) 5本
- W0026 文脈の中のマインドフルネス介入:過去、現在、そして未来 Kabat-Zinn(2003) Clinical Psychology Science and Practice 主要400 被引用 8,598
- W0051 臨床的介入としてのマインドフルネス訓練:概念的・実証的レビュー Baer(2003) Clinical Psychology Science and Practice 主要400 被引用 5,061
- W0078 マインドフルネスストレス低減法と健康上の恩恵:メタ分析 Grossman(2004) Journal of Psychosomatic Research 主要400 被引用 4,275
- W0135 マインドフルネス瞑想の実践に基づく慢性疼痛患者のための行動医学外来プログラム:理論的考察と予備的結果 Kabat-Zinn(1982) General Hospital Psychiatry 主要400 被引用 4,237
- W0235 マインドフルネス:操作的定義の提案 Bishop(2006) Clinical Psychology Science and Practice 被引用 1,998
後続研究(この論文を引用している) 15本
- W0101 マインドフルネス瞑想の神経科学 Tang(2015) Nature Reviews Neuroscience 主要400 被引用 2,628
- W0141 マインドフル・セルフ・コンパッション・プログラムのパイロット研究とランダム化比較試験 Neff(2013) Journal of Clinical Psychology 主要400 被引用 2,240
- W0184 マインドフルネスに基づく療法:包括的メタ分析 Khoury(2013) Clinical Psychology Review 主要400 被引用 2,012
- W0239 コンパッションの探究:セルフ・コンパッションと精神病理の関連についてのメタ分析 Macbeth(2012) Clinical Psychology Review 主要400 被引用 1,833
- W0276 マインドフルネス認知療法とマインドフルネスストレス低減法はどのように精神的健康とウェルビーイングを改善するか:媒介研究のシステマティックレビューとメタ分析 Gu(2015) Clinical Psychology Review 被引用 1,675
- W0284 健康な人々に対するマインドフルネスストレス低減法:メタ分析 Khoury(2015) Journal of Psychosomatic Research 被引用 1,589
- W0287 過熱に注意せよ:マインドフルネスと瞑想研究の批判的評価と今後の研究指針 Dam(2017) Perspectives on Psychological Science 被引用 1,344
- W0461 マインドフルネス瞑想はどのように働くのか?概念的・神経的観点からの作用機序の提案 Hölzel(2011) Perspectives on Psychological Science 被引用 1,198
- W0607 慈悲の瞑想とコンパッション瞑想:心理的介入としての可能性 Hofmann(2011) Clinical Psychology Review 被引用 932
- W0624 マインドフルネスに基づく介入:全体的レビュー Zhang(2021) British Medical Bulletin 被引用 580
- W0631 マインドフルネス瞑想の効果:メタ分析 Eberth(2012) Mindfulness 被引用 827
- W0649 教師のためのマインドフルネス:ストレス、バーンアウト、教育効力感への効果を評価するパイロット研究 Flook(2013) Mind, Brain, and Education 被引用 703
ほか 3 件
読む・引用する
- 論文ページ
- https://doi.org/10.1037/a0018555
- 無料で読めるか
- ○ グリーン(リポジトリ等で公開) 無料本文 ↗
- DOI
- 10.1037/a0018555
文献表記(APA第7版)
影響力の指標
- 著名度スコア
- 92.9 / 100 スコアとは
- 被引用数
- Semantic Scholar 3,891(うち影響引用 117)・ OpenAlex 3,897
- 年あたり被引用
- 228.9
- FWCI
- 164.5(同年・同分野の平均の何倍引用されたか)
- 同年同分野で
- 上位 0.1%未満
- 分野(OpenAlex)
- Mindfulness and Compassion Interventions
- 主要400の選定
- 著名度スコア上位(概念・年代枠内)
被引用数の取得日:Semantic Scholar 2026-10-01、OpenAlex 2026-10-02。Google Scholar より少なめに出るデータベースの値なので、順位の目安としてお使いください。
つながり ほかの保存版コレクションから、内容の近いもの
- 幸せに効くこと瞑想瞑想は不安・抑うつに小〜中の効果。8週続けると変わる人が多い
- 幸せに効くこと行動活性化療法考え方より先に「動く」。楽しい活動を増やす行動活性化は抑うつに中〜大の効果
- 禅語百選只管打坐ただひたすらに坐る。悟りを得るための手段としてではなく、坐ることそれ自体が、すでに悟りの現れであるとして坐る。
- 名言集波を止めることはできない。しかし、波に乗ることは学べるジョン・カバット・ジン
- 名言集あなたの力の及ぶものと、及ばないものとを区別せよエピクテトス
- 発達マップ効くストレスコーピング(処方)5つの発達段階で比べた表・心の健康と回復
- 調査・報告書アクサ マインドヘルス・レポート(AXA Mind Health Report)保険会社アクサが約18か国のネット調査で、心の健康の状態と職場の支援を毎年比べる報告書。
- 思想マップ悩み相談:お金が不安で仕方がないお金・将来・まず読むなら ケイパビリティ・アプローチ/エピクロス派/ユダヤ教
内容の近さをAIで自動計算して選んでいます。保存版コレクションの一覧 →